2018年 7月 23日 (月)

日本の「学力危機」救う? フィンランド式学習が人気

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   OECDが実施した学習到達度調査(PISA)によると、日本の「学力」は、順位が低下傾向にあるが、フィンランドは上位を維持し、日本でもその教育法に注目が集まっている。授業に「フィンランド式」を取り入れる学校が出現したほか、「フィンランド式学習」を謳った書籍も続々と登場してきている。

特徴は思考力や読解力を高めること

   最新のOECDのPISA調査(2006年)では、日本が順位を落とす傾向にあるのに対し、フィンランドは総合で1位。特に読解力で14位と同1位のフィンランドと大きな差がついてしまった。そこで注目を浴びているのが、フィンランド式の学習方法というわけだ。

   フィンランド式学習の特徴は、思考力や読解力を高めることにある。ある教育業界関係者は、

「日本が学習要領でガチガチに縛り付けているのに対し、フィンランドには空白の時間割もあり、現場の先生に裁量が委ねられている。そこでは思考力や読解力など、自由に考える力を付ける教育が行われている」

と評価している。実際にはどんなものなのか?

   例えば、東洋経済2008年1月12日号に掲載された日本教育大学院大学客員教授・北川達夫氏の記事では、日本の「桃太郎」を例示しながらフィンランド式の国語教育が紹介されている。

「フィンランドの国語教育では、あらゆるテキストを『問題を提示し、解決の具体例を提案してくれる相手』ととらえる」「発想の限りを尽くして解決策を模索するのである。そして、読者は自分にとって最善の解決策を提案する。つまり、『桃太郎』というテキストを受けて、『自分だったらどうするのか』という意見を提案するのだ」

   こうしたフィンランド式学習法についての書籍も最近になって刊行され始めた。

   毎日コミュニケーションズは「日本においてフィンランドメソッドを紹介する文献は多数出版されているものの、教育者を対象としているものが多く、読者実践型の書籍は発刊されていない」として、『フィンランドメソッド実践ドリル』(諸葛正弥氏著)を2008年1月に発刊した。

4コマ漫画の空白噴出しにセリフを自分で書き込む

   4コマ漫画の空白噴出しにセリフを自分で書き込んで、その理由をいくつも説明するなどして、読解力、表現力、論理力、発想力、批判的思考力を養成するというものだ。

   そんな中、学校の授業に「フィンランド式」を取り入れる学校も登場し始めた。

   京都市教育委員会によれば、PISA調査で日本が順位を下げた読解力や論理的思考力を高めようとする動きが出ているという。国語の授業にフィンランドの国語の教科書を使う学校が市内で増え、教育委員会も07年秋にフィンランド式学習の専門家を招いて講演会を開いた。学校指導課の担当者は、

「文科省の学習指導要領でも読解力や論理的思考力に力を入れる方向になってきています。京都市では早めにPISA調査式の学習を取り入れたほうだと思いますが、ここ1~2年でフィンランドメソッドを独自に取り入れる学校も出てきました。今後も増えるかもしれませんね」

と話している。

   フィンランドの在日本大使館は2007年6月に、フィンランド生まれでアニメキャラクターとして知られるムーミンが登場し、教育問題などについて日本語で学ぶことができるサイト「プロジェクト・フィンランド」を開設した。また、教育者向けのフィンランド視察ツアーなども開かれ、「フィンランドに学ぼう」という機運は高まっている。

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