2024年 4月 28日 (日)

読売社説に「店じまいするしかない」といわれた 新銀行東京の「放漫経営」

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

すでに利用者がいない?

   新銀行東京が発表した再建計画は、当初めざした「開業3年(08年3月期)で黒字化」の目標を2012年3月期に先送りし、それまでに現在450人いる人員を、希望退職などを募って120人まで削減、さらに6か店ある営業店を1か店にするというもの。

   しかし、こうしたリストラ策も「焼け石に水」と見る向きが多い。新銀行東京はすでにATMを撤去するなどのリストラ策を進めてきており、「顧客利便が著しく低下していて、利用者が離れている」(東京都内の信金幹部)。破たん処理となると、1000万円を超える預金が戻らなくなるペイオフの対象になるが、「そんな大口預金者は、とうに逃げちゃったんじゃないの」(銀行関係者)という声もある。

   上武大学大学院特任教授の池田信夫氏はブログで、「非常識なのは、破たん前の金融機関に財政資金を直接投入して赤字を穴埋めしようとしていることだ。これは90年代の大蔵省でもやらなかった」と、声を荒げている。かつての北海道拓殖銀行から現在国有化されている足利銀行のように「税金」で破たん処理した金融機関は多くあるが、都民の税金を再度使うのならば、「破たん処理のとき」というわけだ。

   とはいえ、「初めてのペイオフ適用」となると銀行界をも巻き込む最悪の事態で、「それは避けたい」(メガバンクの関係者)ところ。東京都が「延命」の理由をどう説明するかは見物だが、とりあえず追加出資して自己資本を食いつぶすまでに事業譲渡先をさがす、のが「落としどころ」か。

   2月26日に開かれた都議会の代表質問で石原都知事は、新銀行東京の現況について「まことに残念、無念、歯ぎしりする思い。都政を預かる知事としてざん愧に堪えない。わたしももろもろの責任を痛感している」と自身の責任を認めながらも、「不退転の決意で銀行を必ず再建させる」と述べた。

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