2024年 5月 3日 (金)

西郷、大久保に続く「観光資源」 「篤姫」ブームに沸く鹿児島

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   NHKの大河ドラマ「篤姫」の異例の好調ぶりを受け、地元の鹿児島県では、放送開始から半年が経って観光客が急増している。県では「篤姫ブームの余韻は、放送後も続くはず」として、早くも「ポスト篤姫」を見越した提言を発表。篤姫のことを「西郷、大久保に続くニューヒロイン」と位置づけ、貴重な観光資源として生かしていきたい考えだ。

「自分たちの手で勝ち取ったドラマ」

「篤姫」ブームで、鹿児島県への観光客が増えている
「篤姫」ブームで、鹿児島県への観光客が増えている

   「篤姫」は、幕末の薩摩藩から徳川の将軍家に嫁いで波乱の人生を送った女性を、宮崎あおいさんが主演するドラマで、大河ドラマとしては47作目。全50回の放送予定で、2008年1月6日の初回放送以来、9月14日の回で37回放送されている。初回の視聴率こそ20.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と低迷気味だったが、最近では23~24%台で推移。安定した水準を保っている。特に、地元・鹿児島県では9月7日放送分の視聴率が41.9%を記録し、同番組初の「40%超え」を達成した。

   「篤姫人気」の理由について、奈良迫英光・鹿児島県観光プロデューサーは、

「大河ドラマには『チャンバラ』や『戦争』というイメージがある一方、『篤姫』は、現代のドラマ風というか、『家庭っぽさ』が前面に押し出された面があったのでは」

と分析する一方、地元・鹿児島の立場からは

「大河ドラマを誘致するときには、鹿児島県民35万人の署名が集まった、という経緯があったので、県民は『自分たちの手で勝ち取ったドラマ』という思いで番組を見ているのでは」

と、感慨深げだ。

7月から観光客も増える

   地元への影響は、やはり大きいようで、日本銀行鹿児島支店が08年9月3日に発表したところによると、同番組による県内経済効果(08年1月~7月)は171億円。経済効果の主な要因は観光客の伸びで、奈良迫さんは

「放送が始まった1月から5月にかけて、観光客の伸びが鈍かったのですが、7月から秋にかけて、急に好転したんです」

と話す。確かに、08年1月~7月に鹿児島県内に宿泊した観光客の数は前年同期比103.9%なのに対して、08年7月に限ってみると、同114.2%で、夏場以降の好調ぶりが際立っている。

   番組終了後にも「篤姫人気」を持続させたい考えで、

「08年12月の番組終了後も、この(篤姫ブームの)『余韻』は、09年4月ごろまでは続くのではないかとみています。その間、県としては旅行会社の支援などを行っていきたいと考えています」(奈良迫さん)

と、期待をかける。9月12日には、08年12月の番組終了以降の観光振興策の提言を発表してもいる。提言では、「ドラマは、西郷(隆盛)、大久保(利通)に続く郷土のニューヒロインを生み出した」として、篤姫関連の恒久的な展示施設を検討すべきだ、とした上で、09年は、篤姫の養父・島津斉彬の生誕200周年にあたることから、両者を関連させたキャンペーンの展開を提言している。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中