2018年 10月 22日 (月)

TBS株の長期保有示唆する 楽天三木谷社長の意図

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   楽天の三木谷浩史社長が2009年年初に行ったマスコミとの懇談で、焦点のTBS株の買い取り請求権について、「ノーコメント」としたが、「楽天はTBS株の減損処理を行った。我々としては一区切りついている」などと発言した。さらに、「楽天の判断基準としては、TBS株よりも、TBSとのリレーションシップをどう構築していくかが重要なポイントだ」とも述べ、同請求権を行使せず、TBS株の長期保有を続ける可能性を示唆した。しかし、この発言を額面通り受け取っていいのかどうかは疑問だ。

TBS側に提携に応じる構えなし

   三木谷社長はTBS株を一気に買い占めた05年10月から今日までの3年余りを振り返り、「流れが速かった。想像の3倍くらいの速さだった。TBSは時代の変化に乗り遅れている」と述べ、TBSの対応を批判した。ここで言う「時代の流れ」とは、「エンドユーザーがネットにシフトする速さ」であり、大手企業などの広告主が放送から離れ、ネットに向かっている現実を指したものだ。

   TBS株の20%弱を保有する筆頭株主の楽天は08年末、08年12月期連結決算でTBS株の評価損約656億円を特別損失に計上すると発表した。これらの結果、最終損益は04年12月期以来、4期ぶりの赤字となる見通しだ。懇談で三木谷社長は「株が下がっているのは問題だが、一喜一憂していない。下がったからどうするということはない」とも述べ、ここでも長期保有の可能性を示唆した。

   しかし、三木谷社長の発言を額面通りに受け取るのはいかがなものか。TBSの09年4月の認定放送持ち株会社への移行は、08年12月の臨時株主総会で賛成多数で承認された。この結果、持ち株会社に出資する1株主の議決権は33%以下に制限されることになり、楽天がTBSを買収することは不可能になった。楽天が狙うTBSとの提携も、TBS側に応じる構えがない以上、進展は見込めない。

TBS対楽天の攻防は09年3月がヤマ場

   事実、三木谷社長は今回の懇談でも、TBSとの具体的な提携の交渉や戦略などを明らかにできなかった。

   膠着状態が続くTBS対楽天の攻防は、09年3月がヤマ場となる。臨時株主総会で認定放送持ち株会社への移行に反対した楽天には、株主買い取り請求権がある。これまでは楽天がTBS株を現在の株価水準で売却すれば、約600億円の売却損が出ることが最大のネックとなっていた。だが今回、楽天が会計ルールに則り、ほぼ同額の減損処理を行ったことで、今後は損失を気にせず、買い取りを請求できるとも言える。三木谷社長が「一区切りついた」と語った意味は、そこにあるのかも知れない。

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