2024年 5月 5日 (日)

「モノ言う株主」米ファンドが主導権 損保ジャパンと日本興亜統合の先行き波乱? 

筆頭株主である米ファンドが統合協議に影響力を行使?

   今回の統合合意で、サウス社の狙いがひとまず実現した形となったが、なお課題を残している。持ち株傘下の両社は営業網やブランドを独自に展開し、合併は現時点では考えていないという。業界下位ながら独立志向の強い日本興亜に対し、損保ジャパンが配慮した格好だが、市場では「両社が併存すると、コスト削減などで十分な統合効果を発揮できなくなる」と疑問の声も出ている。

   そこに明らかになったのが、サウス社の損保ジャパン株買い増しで、保有比率を6.77%から7.57%に引き上げた。しかも、保有目的は従来、「純投資」だけだったが、今回は経営陣や株主総会に経営面での提案ができる「重要提案行為等」に変更し、統合協議に影響力を行使する可能性が出てきた。

   損保ジャパンと日本興亜の持ち株会社は両社出身者が共同CEO(最高経営責任者)を務め、取締役も同数とするなど「対等の精神」をうたったが、こうした日本的な融和が果たして「収益最優先」のファンドに受け入れられるのか。統合はなお曲折をたどる可能性もありそうだ。

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