「Vホス系」と呼ばれるファッションが10~20歳代の男性に広がっている。ビジュアル系とホスト系が合体したもので、黒のジーンズやジャケットにロックテイストのアクセサリーをつけ、眉を整えて化粧をする。Vホス系を広めたのが、現役ホストがモデルとして登場する男性ファッション誌だ。キャバ嬢モデルの「小悪魔ageha」の男性版カラーコンタクトと黒いネイルもしている。JFA「スタイルアリーナ」よりホストのファッションというと華やかなスーツが一般的だが、Vホス系はジーンズやジャケットを着たりしてドレスダウンする。ただし色は黒でまとめ、カジュアルになりすぎないのがポイントだ。アクセサリーにスカル(骸骨)のモチーフをもってきたり、スタッズ(鋲)がついていたりと、はやりのロックテイストを取り入れている。ファッションにとどまらず、眉を整えて化粧をし、マニキュアを塗ったりして、ビジュアル系バンドのようだ。髪型は長めの髪の毛をスジ状に固め、逆毛を立てたりして高く盛った「スジ盛り」というスタイルが目立つ。もとはホストがしている格好だったのが、2008年冬頃から10~20歳代の一般男性の間で注目されるようになってきた。「ホストはモテのプロで、つねに最先端のモテ系トレンドを取り入れています」というのは日本ファッション協会(JFA)のストリートファッション・アナリスト、日根野哲也さんだ。ホストの格好をまねれば、「自分もモテるんじゃないか」と若い男性がお手本にするのだそうだ。 Vホス系を目指す若者が読んでいるのが、現役ホストがモデルとして登場する月刊誌「メンズスパイダー」(リイド社)だ。08年9月24日に創刊され、キャバ嬢がモデルの「小悪魔ageha」(インフォレスト)の男性版のようだと話題を呼んでいる。「女性にモテるアイテムを押し出しています」ジーンズやジャケットでドレスダウン。JFA「スタイルアリーナ」よりVホス系という言葉を作り出したのが「メンズスパイダー」で、同誌の中山康文編集長によると、アーティストのGACKTさんやV系バンド「ジャンヌダルク」のようにキレイめで「艶」のあるファッションをイメージしている。同誌にはホストのほかに、学生、メジャーレコード会社に所属するV系のバンドメンバーがモデルとして登場する。専属モデルは10人だ。誌面では、ファッション、ヘアスタイル、フェイスとボディケアから、女性にモテるための秘けつを伝授する。最新号は「女を酔わす最強5大コーディネート術」「女を呼び込む『ガチ・モテ』VISUAL HAIRスタイリングはコレだ!!」というタイトルが並び、いずれの企画もモテることがテーマのようだ。「女性にモテるアイテムを押し出しています。またタイトルについては、アーティスティックでインパクトあるネームがVホス系のイメージに合致します。読者アンケートの感想を見ても、そういうキャッチに対する反応がいいです」次号からVホス系から派生したカジュアルライン「Vカジ系」をイチオシで提唱・特集していくそうだ。
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