2024年 4月 26日 (金)

高橋洋一の民主党ウォッチ
民主「新成長戦略」のお粗末 産業政策なんかもうやめろ

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競争政策や規制緩和は大いに結構

   それでは、政府は一切関与できないかというと、そうでもない。例えば、競争政策や規制緩和は大いに結構だ。それに知的所有権などの法整備もいいだろう。最近、新型インフル騒動でわかったことは、ワクチンの副作用について、日本で訴訟リスクが大きいことだ。諸外国では、無過失補償といって、故意でなければメーカーに責任はなく公的補償で対応するのが普通である。未知の分野について個別企業に過度なリスクを負わせたら、社会的に適正な生産もできなくなるから、こういった分野での法整備は必要だ。

   それらの上に、特定産業に対する産業政策を重ねることは不必要だ。冒頭に掲げた論考を書いた約20年前、産業政策の議論の時に、産業政策の正当性を主張する役人に対して、どうしても産業政策をやりたいなら自らがプレーヤーとなって行えばいい、といったことがある。そのときに彼らの反応から、産業政策は役人の失業対策になるかもしれないが、国民のための政策ではないと思った。また、地方政府が、自らプレーヤーとなって特定地域・特定産業の産業政策を行うのは、地域主権の観点からギリギリありえるだろう。

   民主党は、地方分権も脱官僚依存も主張している。そうであれば、国で産業政策をするという発想でなく、もし必要なら、国主導でなく地方へ国の役所を移管して行うとか、国の役人を辞め天下りではなく民間創業者として頑張れ、といってはどうだろうか。国で産業政策を行えば、また、天下り団体がたくさん作られるのが関の山でないか。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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