政治資金規正法違反の疑いで逮捕された石川知裕衆院議員の勾留期限が切れる2010年2月4日、東京地検特捜部は石川議員を起訴するとともに記者会見を開くとみられている。東京地検の記者会見はこれまで記者クラブに所属する新聞やテレビの記者のみ参加が許されていたが、今回はどうなのか。政権交代後、外務省や金融庁など一部の省庁では記者会見のオープン化が進んでいるが、東京地検の対応は?なぜ参加できないのか?「理由はありません」検察庁の「重い扉」は開かれるか?もし記者会見が開かれるならば、記者クラブに所属していないメディアでも参加できるのか。J-CASTニュースの記者が東京地検の広報担当者に問い合わせてみた。電話に出た男性職員は「司法記者クラブの加盟社であれば、参加できますが…」との回答。つまり、記者クラブに入っていなければ、記者会見に出席できないというのだ。なぜ記者クラブ以外は参加できなのか。そうたずねると、最初に返ってきたのは、「理由はありません」という返事だった。いくらなんでもそれはないだろうと重ねて質問すると、「現在捜査を行っていることなので…」「警備上の問題もあるので…」といった答えが返ってきたが、どれも説得力に乏しい。結局のところ、「従来からそういう対応をしているから」という前例主義でしかない。政権交代を受け、外務省や金融庁、総務省では「記者会見のオープン化」が進んだ。記者クラブに加盟していないフリーやネットメディアの記者も大臣会見に参加し、質問できるようになった。検察庁が属する法務省も、大臣会見はすでに「オープン化」されている。だが、検察庁はまだ従来通りの運用をしているというわけだ。「すみません」を繰り返す東京地検の広報担当者J-CASTニュースと同じように東京地検に問い合わせたものの、つれない返事しかもらえなかったフリーランスライターの畠山理仁さんは、東京地検の広報担当者とのやりとりをツイッターで公開した。畠山「フリーランスの記者は参加できない?」広報「そうですね、現段階では。申し訳ございません」畠山「会見をやると決まっても入れない?」広報「そうですね。まず、あのー、記者クラブに入っていない方以外は会見場のほうには入室のほうをご遠慮いただいていますので」といった感じで、一問一答をツイッターに流していったのだ。「電話に出た女性職員は『すみません、すみません』と何回も謝っていました。明確に断る論拠を持っていないから『従来からそうなっています』としか言えず、申し訳ないと思ったんでしょうね」と畠山さんは広報担当の職員に同情気味だ。それでも「なぜダメなのか、全く分かりませんでしたけどね」と苦笑しながら、次のような疑問を口にした。「記者会見というのはそもそも、多くの人に伝えるために開くもののはず。一部の人だけに向けて開くのでは『記者会見』とは言えないんじゃないでしょうか?」東京地検の対応からすると、扉が開かれる可能性は低いかもしれないが、記者会見が見込まれる2月4日まで、まだ少し時間がある。畠山さんは「明日もう1回、聞いてみようかな」と話している。
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