2021年 9月 23日 (木)

高橋洋一の民主党ウォッチ
日銀に軽んじられた菅財務相 でもインフレ目標悪くない

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日銀政策にも評価を

   当時は、現状よりマシと断定できにくかったが、現時点では、金融政策を評価するデータがかなりそろっている。2000年1月から09年12月までの10年間120か月間における、日本、アメリカ、EU、イギリスの物価指数の推移を見てみよう。ここで、日本はCPI(除く生鮮食品)、アメリカはCPI(除く食品エネルギー)、EUはHICP(除く食品エネルギー)、イギリスはCPIとする。日本では0~2%、アメリカ・EU・イギリスでは1~3%の月数の割合は、日本19.2%、アメリカ100%、EU90.8%、イギリス73.3%である。0%以下の月数割合については、日本78.3%、アメリカ・EU・イギリスはともに「なし」である。

   こうしたデータを見ていると、日銀にひと言いいたくなるのは仕方ないだろう。なにせ、欧米より1%も低い物価の安定であっても、日銀の打率は2割に満たないが、欧米の中央銀行は打率7割以上だ。逆に、マイナスの物価になると、日銀は打率8割、欧米はもちろんなしだ。こうなると、日銀はインフレ目標ならず「デフレ目標」を持っているのかとさえ思えてくる。ここまで、デフレを続けることはよほどの偶然があってもできることではない。

   2月18日、白川総裁が会見した時に、ウォール・ストリート・ジャーナルは「遅きに失した日本のインフレ目標議論」と報道し、日銀のかたくな姿勢を批判した。

   インフレ目標を経済学から考えると、どうしても不安だというなら、行政学から考えたらいい。日銀は広い意味での政府内の行政機関だ。今は、01年に制定された「行政機関が行う政策の評価に関する法律」により、政府の行政機関はみんな政策評価が義務付けられている。そしてかなりの行政機関で数値目標が定められている。そして、Plan(企画立案)、Do(実施)、Check(評価)、Action(企画立案への反映)という政策のマネジメント・サイクルが確立している。

   日銀は、法律上政策評価の対象ではないが、同じように政策の評価を行うと考えればいい。日銀の主たる仕事は、物価の安定だから、これについて数値目標を掲げるのだ。物価の安定は、他の行政機関に比べれば目標の数値化ははるかに容易だ。政府の行政機関が行っていることを日銀だけが例外扱いされることがおかしい。

   バーナンキが言っていたように中央銀行のコミュニケーション手段と考えれば、ここまで日銀が意固地に拒否する方がおかしいだろう。あまり否定すると、どんなに経済理論で反論しても、目標達成ができないときの責任をとるのがいやで、保身のためだと多くの人は思ってしまうのは、日銀にとって不幸ではないか。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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