2024年 5月 4日 (土)

姿消したキム・ヨナはロスにいた 世界選手権出場、優勝なら「引退」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   女子フィギュアスケートの2010年シーズンを締めくくる全日本選手権で、今季不振を極めた浅田真央選手が2位に入り、復活を印象づけた。そのライバル金妍兒(キム・ヨナ)選手は、11年3月の世界選手権に出場すると明言した。

   一時は引退もささやかれた金選手だが、米ロサンゼルスでトレーニングに励んでいるという。14年のソチ五輪を見据えているのか。

前コーチとの契約解除巡って非難の応酬

   金選手の近況は、あまり聞こえてこない。単発でのアイスショー出演はあるが、浅田選手をはじめ有力なスケーターが出場したグランプリシリーズは全戦欠場した。

   だが、身辺では大きな変化が起きていた。10年4月、マネジメント会社との契約終了にともなって、金選手の母親が代表を務める個人事務所を設立。8月には、コーチを務めていたブライアン・オーサー氏との契約を解除した。金選手側とオーサー氏の「確執」が背景にあるのでは、とささやかれた。オーサー氏はマネジメント会社を通じて、金選手の母親から、一方的に解任を通告されたとコメントした。一方金選手の事務所は、オーサー氏が別の選手からコーチを依頼されたことが同氏への不信につながり、さらに次期シーズンの新しい演目をマスコミに一部漏らしたと非難。結局両者は「けんか別れ」のようになってしまった。

   その後金選手は、4年間拠点としていたカナダ・トロントを離れて、9月初めに米ロサンゼルスに移った。当初はコーチも不在で、しばらくは1人での練習を余儀なくされた。新コーチが所属事務所から正式にアナウンスされたのが10月6日。米国人のピーター・オプガード氏と契約を結んだ。実は同氏は、長野五輪女子フィギュアスケートの銀メダリスト、ミシェル・クワンさんの義理の兄にあたり、新たな練習拠点としたロスのスケート場も、クワン一家が経営するもの。かねてから親交のあったクワンさんを、金選手が頼った模様だ。

朝鮮半島に伝わる民謡「アリラン」も取り入れる

   競技については7月、韓国メディアに対して2010年グランプリシリーズの欠場と、11年3月の世界選手権への出場を明言した。新コーチ就任後、その準備は急ピッチで進めている。

   11月末には、大会用の新しい演目を発表。ショートプログラムは、バレエの名作「ジゼル」に決定。フリーは、韓国の伝統音楽をベースに構成するという。朝鮮半島に伝わる民謡「アリラン」も取り入れる。金選手は所属事務所を通じて、「以前にも振付師からアリランを提案されましたが、私には早すぎると断りました、でも五輪で金メダルを取ることが出来た今、韓国のファンの皆さんに感謝をお伝えするために選びました」とコメントした。

   新しいコーチに新しい練習環境、さらに演目も一新となれば、2014年のソチ五輪を目指す態勢が整ったようにも見えるが、世界選手権後について金選手はいまだ明らかにしていない。ソウルにある金選手の所属事務所に電話取材を試みたが、担当者が休暇中とのこと。事務所に教えてもらった担当者の携帯電話にかけてみたが、つながらなかった。

   韓国の大手通信社、聯合ニュースのユ・ジホ記者はJ-CASTニュースの取材に対して、「世界選手権の結果次第で、金選手はプロに転向するでしょう」と話す。優勝すればほぼ間違いなく、プロへの道へ進むという。「目標としていたバンクーバー五輪での金メダルを達成し、過去には世界選手権やグランプリファイナルも制しています。競技者としてさらなる高みを目指そうと本人が考えているか疑問です」

   ソチ五輪を目指す可能性もゼロではない、とユ記者。「ただしそのとき、金選手は23歳。村上佳菜子選手ら若手が台頭する中での五輪連覇は、簡単ではありません。既に十分な実績を残した金選手は、今度の世界選手権での優勝を花道に競技生活にピリオドを打つのではないでしょうか」。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中