2024年 4月 26日 (金)

ニッポンもはや待ったなし 主要紙社説「改革、開国」迫る

   長引く経済の停滞、中国や北朝鮮など周辺諸国を巡る安全保障問題、民主党政権に対する国民の不信の高まり――。多くの課題を抱えたまま、2011年がスタートした。

   新聞各紙は、2011年1月1日の紙面で、新しい年の日本の進路を占っている。各社とも現状に危機感を持つ一方、打開策のキーワードに改革、開国を挙げるところが多い。

元日の社説で「日本再生の道」を示す各紙
元日の社説で「日本再生の道」を示す各紙

朝日、日経「TPP参加」強く促す

「なんとも気の重い年明けである」(朝日新聞)
「めでたいとは言い難い年明けだ」(日本経済新聞)
「ニッポン丸の舵取りは甚だ心もとない」(読売新聞)

   元日の各紙社説は、書き出しから低調な言い回しが並んだ。どこも国内の現状を憂い、危機感を募らせている。

   朝日は、経済不振が続く中で少子高齢化、財政危機といった問題が進行し、安全保障問題が浮上する一方で、政治は「党利党略に堕している」と厳しく批判。ピンチから脱出するために必要なものとして税制と社会保障の一体的な改革を挙げている。年金や健康保険制度を支える現役世代が減少し、団塊世代が「引退世代」となって財源の負担がどんどん増え、「財政は崖っぷち」「早く取りかかるほど改革の痛みは少なくてすむ」と警鐘を鳴らした。

   同時に、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加も促す。TPPは菅直人首相が意欲を見せるが、民主党内からは反対意見も根強い。「手厚い保護のもと農業は衰退した」と指摘し、「農政を転換し、輸出もできる強い農業をめざすべきだ」と主張する。

   日経も朝日と同様、財政・社会保障改革とTPPの参加を中心とした貿易の自由化を急ぐべきだとする。背景には、「貿易立国」と言われながらも国内総生産(GDP)に占める輸出の割合が10%台と、韓国などより低い現実がある。貿易自由化が遅れれば、国内の企業は生産拠点をさらに海外に移し、国力の成長が阻まれかねない。TPPについても「農業改革が欠かせない。生産効率を高め競争力を強める方向で、農政は大きくかじを切らなければならない」と強調した。

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