2024年 4月 27日 (土)

ギネス更新マツダ「ロードスター」 次期モデルはいつでるのか

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   日本を代表するマツダのスポーツカー「ロードスター」が2011年2月4日、生産累計で90万台を突破した。1989年4月の初代モデルの生産開始から、21年10カ月をかけての記録達成だ。

   ロードスターは2000年5月に「2人乗り小型オープンスポーツカー」の生産累計世界一(53万1890台)で英ギネスブックに認定され、過去に70万台、80万台の達成時にも記録を更新している。マツダは今回の90万台達成で、再度ギネスに記録更新を申請するという。

世界中に熱心なオーナーズクラブが存在

マツダ「ロードスター」
マツダ「ロードスター」

   ニッチなスポーツカー市場とはいえ、世界中に一定の固定ファンを確保し、少量生産を粘り強く続けたマツダの快挙と言えるが、次期モデルの開発はベールに包まれたままだ。

   マツダロードスターは、1989年に「ユーノス・ロードスター」として初代モデルがデビュー。欧州では同じく89年にドイツのBMWが「Z1」という2人乗り小型オープンスポーツカーを発売。90年代から2000年代にかけ、英国のMG、イタリアのフィアットバルケッタなど、マツダロードスターの影響を受けた2人乗りの小型オープンスポーツカーが次々と誕生した。日本でもホンダS2000が誕生するなどしたが、世界のライバルがスポーツカー不況で撤退しても、マツダロードスターは生き残り続けた。

   マツダロードスターが人気を呼んだのは、初代モデルを開発したマツダの元エンジニア、貴島孝雄さん(山口東京理科大機械工学科教授)の「人馬一体」の思想に負うところが多い。直列エンジンをエンジンルームの目一杯後方に縦置きし、「フロントミッドシップ」と呼ばれる理想的な重量バランスを実現。

   ドライバーが車体のほぼ中心に位置するため、ステアリングを切ると、クルマが自分を中心に旋回するような醍醐味を味わえる。世界中に固定ファンとも言うべき熱心なオーナーズクラブが存在するという意味でも、日本車としては稀有な存在だ。

   しかし、ビジネスとしてマツダロードスターを見た場合、販売は必ずしも順風満帆ではない。ロードスターの販売台数はデビュー翌年の90年の7万5798台がピーク。当時はバブル末期で、安価な2人乗り小型オープンスポーツカーが世界市場で少なかったこともあり、「飛ぶような売れ行き」(ディーラー関係者)だった。

次期モデルは低燃費と走行性能の両立目指す

   しかし、その後はピークアウトし、2010年は2万台余りにとどまる。しかも、主要市場は欧米で、日本国内では月間200台程度で推移している。一定のスポーツカーファンに支持されてはいるが、多額の開発費を注ぎ込んで次期モデルを開発できるほどの余裕はマツダにはなさそうだ。

   現行のマツダロードスターは2005年にデビューした3代目。現行モデルを開発したマツダの担当主査、山本修弘さんは「このクルマの特長は運転する『歓び』とか『楽しみ』を享受できること。その魅力を大切にしていかなければならないし、お客様ともっともっと一緒に喜び合いたい」と話している。

   マツダは4代目となる次期ロードスターの開発を進めており、生産累計の100万台達成が「次の大きな目標」という。次期ロードスターは環境に配慮した低燃費と走行性能の両立が、これまで以上に求められるのは言うまでもない。関係者によると、次期ロードスターは「車体を軽くし、エンジン排気量を減らすことなどで、燃費と機敏な走りを両立する」という。

   スポーツカーの環境対応は、ホンダも次期NSXなどで「燃費と走り」を両立すると表明しており、メーカー間の競争が激化するのは必至だ。コストがかかる割には販売台数が少ないスポーツカーの開発は、経営的には難しい判断に違いなく、次期ロードスターの行方が気になるところだ。

姉妹サイト
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中