2024年 4月 19日 (金)

産経が「自衛官」ネット投稿紹介 「死地に向かわせるなら首相ら陣頭に」

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   「悲痛な自衛官寄稿」。東京電力の福島第1原発事故に関連して、産経新聞が「現役自衛官」の寄稿を紹介した。高い放射線の中、自衛隊はヘリや特殊消防車で危険度の高い3号機への冷却水放水作業を実施している。同寄稿では、「自衛隊最高指揮官」菅直人首相らに対し、「死地に向かわせるなら、指揮官陣頭であるべきです」と訴えている。

   産経新聞は2011年3月19日付の朝刊で、「防衛相 決断丸投げ 悲痛な自衛官寄稿」との見出し(東京最終版)で、インターネットメディア「JB PRESS(日本ビジネスプレス)」に載った「現役自衛官の悲痛な訴え」を紹介した。その上で「首相、北沢(俊美防衛相)氏は謙虚に一読すべきであろう」と記事を結んでいる。

「服務の宣誓」を紹介

   この寄稿「福島第一原発:報道をはるかに超える放射能 死を覚悟する自衛官、国のリーダーにその認識はあるか」は、3月18日に配信された。筆者プロフィール欄を見ると「現役自衛官 藤井源太郎」とある。「JB PRESS」のサイト内検索で調べた範囲では、同じ名前の人物によるほかの記事はみつからなかった。

   寄稿は5ページにわたる長文だ。藤井氏の所属や階級に関する記述は具体的には出てこない。福島第1原発での「消火と給水業務」について、「(自衛官らが)命を失うことが目の前にあるにもかかわらず、命令に忠実に、職務の完遂を目指しているのです」と書いている。

   また、自衛隊法施行規則にある「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め」などとする「服務の宣誓」にも触れている。その上で、「自衛官とて人の子です」と妻子の存在などを指摘し、「どうか国民の皆様におかれましては、災害派遣は自衛隊の任務だからとか、(略)自衛官が危険を顧みないのは当たり前だというふうには見ないで頂きたいのです」と書いている。前段の部分では、「主たる任務は防衛出動」「原子力災害派遣は従たる任務」と指摘してもいる。

「ねぎらう言葉も一言も発しなかった」

   「最後に」の項目では、「隊員を喜んで死地に向かわせるのは、自衛隊最高指揮官である内閣総理大臣をはじめとする、防衛大臣などの各級指揮官の堅確な意志と熱誠を込めた言葉です」として「兵を死地に向かわせるなら、指揮官陣頭であるべきです」としている。最後は「菅政権にあっては原子力災害派遣に従事する自衛官に対して、熱誠を込めた言葉で語りかけて頂きたいです」と結んでいる。

   一方、産経新聞は同じ記事の中で、「北沢氏は17、18両日の2度の会見で(原発上空で放水作業をした)ヘリの乗員をねぎらう言葉も一言も発しなかった」と指摘している。

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