2024年 4月 19日 (金)

「災害弱者」になかなか届かぬ支援 てんてこまいで疲労困憊の介護職員

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   大震災と津波の直接の被害を逃れながら、避難所で亡くなる高齢者が少なくない。長引く不自由な生活は、「災害弱者」を追い詰めている。

   仙台市は、市内30の施設を「福祉避難所」に指定、避難所での生活が難しい障害者や認知症の高齢者を受け入れてきた。約230人。どこも満員状態だ。(河北新報3月31日

ボランティアが足りない

   その一つ、宮城野区の障害者生活支援センター「ハンズ宮城野」では3月25日現在、認知症の高齢者や心身障害者11人が、寝泊まりしている。37歳になる女性は、軽度の知的障害者で足にも障害がある。父親(75)の介助を受けながら、車いすで生活している。中学校の体育館など2カ所の避難所を経てここに移った。

   避難所は、手すりや障害者用トイレといった設備が不十分で、見知らぬ人に囲まれているという不安もある。センターには障害者用設備が整い、職員が24時間体制で見守ってくれる。父親は「障害者が生活できる環境を探すのは大変。ここに来ることができて助かった」と語る。

   しかし、福祉避難所に指定された施設はすべて定員に達し、新たな受け入れができないという。20~30人が避難先を待っている。

   高齢者のケアも限界に来ているという。陸前高田市で1200人が避難する第一中。高齢者専用の部屋でボランティアとして働く大浦貴美子さん(53)は介護に日々追われる。「支援を必要とするお年寄りは多いのに、専門知識を持つボランティアが圧倒的に少ない」。

   認知症や半身マヒの高齢者約20人。多くが排泄や食事の介護を必要としているが、専門知識のあるスタッフは数人しかいない。働きづめのスタッフの疲労はたまる一方だという。

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