2024年 5月 3日 (金)

前立腺がんを温熱療法で治す 開発した医師が成果報告

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   前立腺がんの画期的な治療法が生まれた。診療所で施せる簡便さが売り物で、埼玉県央病院(埼玉県桶川市)顧問の小柴健・北里大学名誉教授が開発した。2011年4月21日、名古屋市で開かれた日本泌尿器科学会で発表された。

   「外科手術や放射線治療よりも、患者さんの負担が少なく、副作用も小さい。それでいて、治療効果は格段に高い」と小柴さんは強調している。

86%の患者からがん細胞消える

   中心となるのは、がん細胞を高熱で焼く温熱療法。小柴さんはこの日の教育セミナーで、早期がん用、進行がん用の2つの治療法を発表した。

   小柴さんが10年前から始めている早期がん用の「AMR療法」は薬物療法(A)、マイクロ波による温熱療法(M)、前立腺切除術(R)を組み合わせる。この3つ併用の典型的治療を受けて3年以上経過した患者さん126 人の血清PSA(前立腺特異抗原)は4から46、平均で9.6 だった。PSAは前立腺でつくられるたんぱく質で、4程度を大きく超えると、がんである確率が高くなる。

   126人のうち3人が心臓病などで亡くなったが、前立腺がんを再発した人はゼロだった。尿失禁や尿道狭窄などの副作用が9人に出たが、ほとんどで回復した。

   典型的治療法としては、まず、がんの進行を抑え前立腺の体積を縮小する目的で、月1回、計3回のホルモン剤注射。これとは別に、毎日のホルモン剤の飲み薬を3カ月間続ける(A)。次に、ドイツ製の高温度治療器を用いて尿道から高エネルギーのマイクロ波を照射し、前立腺を1時間、摂氏45度に熱する(M)。さらに3カ月後、尿道から管を入れ、先端に付けたメスで変性した前立腺を除去、がんの病理検査もする(R)。その後、半年間はホルモン剤療法を続ける(A)。

   病理検査では、126人の内109 人 (86.5%) からは、がん細胞が消えていた。残る17人 (13.5%) の多くもがん細胞は「瀕死状態」で、増殖可能な状態だったのは7人だけだった。PSA値の上昇が見られたが、いずれもホルモン剤療法で低下、安定した。

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