2024年 5月 5日 (日)

九電社長「原子力アウトになるかも」 原発すべて止まりかねない「大ピンチ」

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真部社長は週明けにも進退を表明する見通し

   この様子が真部社長の耳に入ったのが、その1時間後の16時過ぎ。社員からメモを渡されると10分ほどインタビューを中断したという。その後、事態が明らかになって、

「すぐにはないが、いずれはそういう問題になってくる」
「責任は免れない。原子力がアウトになるかもしれない」

などと自らの進退について触れたという。

   九電は、これまで「原発優等生」だった。例えば、過去に大きな原発をめぐる不祥事や事故もなく、05年の福岡西方沖地震の際には震度4を観測したが、特段の被害はなかった。3号機では、09年10月15日に国内の軽水炉としては初めてプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電にも踏み切った。

   震災後も、安全対策を強調。11年7月4日には、玄海町の岸本英雄町長から、再稼働への同意を取り付けたばかりだった。佐賀県の古川康知事も容認姿勢に転じており、停止中の原発の再稼働を全国で初めて実現する「一歩手前」の時点で起きた「やらせメール事件」だった。

   事態を知って約3時間半後の、19時半からおよそ2時間にわたって開いた会見で、真部社長は玄海原発の2、3号機を、電力需要がピークになる夏場に再稼働できるかどうかの見通しについて聞かれると、

「期待が持てるかというと、非常に難しくなったかもしれない」

と悲観的な見通しを示すしかなかった。

   真部社長は週明けにも進退を表明する見通しだが、このメール問題は、夏場の九州地区の電力需給にも大きな影を落としている。

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