2024年 4月 30日 (火)

治りにくい淋病が増えている 「抗生剤効かぬ」で不安拡大

専門家「治療法あるが、治りにくい」

   「ロセフィンの耐性菌はなかったので、細菌学上は、深刻な事態だと思います。現在のところ、この1例しか見つかっていませんが、東京やひいては世界中で今後はやる可能性がないとは言えません」

   女性は、風俗嬢として多くの客に接していたので、特定の相手は分からないという。しかし、口によるオーラルセックスで感染したものと考えられるとしている。

   淋病については、かつては抗生物質としてペニシリンが使われてきた。しかし、その耐性菌が出現して使いにくくなり、代わりにニューキノロン系の抗生物質が使われた。そして、それにも耐性菌が出て、セフェム系のロセフィンなどが使われるようになっていた。

   ロセフィンは、保科医院ですべての淋病患者に使っていたほど普及しているため、使えなくなるのは影響が大きい。ただ、この耐性菌は、マクロライド系のアジスロマイシンなどには効いたといい、治療法がないというのは言い過ぎのようだ。保科眞二院長は、「死ぬ人は多分出ないと思いますが、治りにくい淋菌が増えているということです」と言う。

   耐性菌が増えている背景には、オーラルセックスでも、口の中にある薬剤耐性を得た類似菌と遺伝子組み換えが起きていることが原因ともされている。保科院長は、「もちろん普通のセックスでも移りますので、一番の予防はコンドームをしっかりするということです」とアドバイスしている。

   厚労省の結核感染症課では、「女性はすでに、効果のあった抗生物質で治療を終えており、それ以外の患者は見つかっていないと聞いています。現時点で感染が広がっているとの情報はありませんが、耐性菌は重要な問題ですので、状況を注視したいと考えています」と話している。

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