2024年 5月 3日 (金)

メダル獲得でスポンサーに恩返し 世界陸上で大活躍のボルト

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   まるで「ボルトの大会」だった。2011年の世界陸上、テグ大会(韓国)。フライング失格をしたかと思うと、世界新記録で締めくくり、話題を独り占めにした。

   ジャマイカのウサイン・ボルトは明るいキャラクターで人気を集めたが、その裏には母国の深刻な事情を背負っていた……。

自らで始まった「デイリープログラム」の呪いを打ち払う

   世界新を記録するだろう、とボルトへの期待は大きかった。最初のレースは100メートル。予選、準決勝を順調に勝ち抜いた。ところが決勝で派手なフライング。今回から「フライングは1回で失格」というルールの適用で退場した。

   「なんてことだ」と自分を責め「こんな簡単なレースなのに……」と悔やんだ。金メダルは確実だったのだが、自身の持つ世界記録を更新しようという焦りが予期せぬ事態を招いたといっていい。

   この大スターの失格によって、意外なエピソードが生まれた。「デイリープログラムの呪い」である。大会中、その日の競技予定の冊子が配られる。その表紙には注目の選手の写真が載るのだが、ボルトの「世紀のミス」によって、「表紙の選手は金メダルを取れない」との話が広まった。女子棒高跳びのイシンバエワもその一人で、ほかにも有力選手が次々と優勝を逃した。

   「新ルールは関係ない。自分のドジだ」とボルトは競技翌日になって報道陣の質問に答えた。

   この切り替えの早さは200メートルの優勝で証明した。ただし、このときのスタートは慎重で、世界新記録には届かなかった。そして再びプログラムの表紙を飾った最終日、華の種目、4×100メートルリレーでジャマイカのアンカーを務め、圧勝で世界新を出した。因縁の100メートルを雪辱し、囁かれた「呪い」も打ち払ったのである。

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