除染地区拡大で天文学的数字の費用 国の負担「100兆円」超える恐れも

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   東京電力福島第1原発の事故で拡散した放射性物質の除染について、政府は年間追加被ばく線量が1ミリシーベルト以上、5ミリシーベルト未満の地域も国の責任で行うとした。

   当初、政府は1ミリ以上5ミリシーベルト未満の場所は線量の高い場所をスポット的に除染することを念頭にしていたが、対象地域が大幅に広がることになる。福島、栃木、群馬の3県をまるごと覆いそうな面積で、財政支援が想定外の膨大な金額に上る恐れが現実的になってきた。

毎時0.1マイクロシーベルト以下は会津の一部しかない

「年間1ミリシーベルト以上」は広範囲に及ぶ(文部科学省「航空モニタリング」より)
「年間1ミリシーベルト以上」は広範囲に及ぶ(文部科学省「航空モニタリング」より)

   1~5ミリシーベルトの地域の除染は、細野豪志環境相兼原発事故担当相が2011年10月2日、福島県の佐藤雄平知事に「国の責任でやる」と財政支援を約束したものだ。その数日前、環境省は2012年度予算の概算要求に、除染や放射能汚染の廃棄物処理として4500億円以上の金額を盛り込んだ。だが1~5ミリシーベルト地域が全面的に加われば、負担額の拡大は免れない。

   福島県内で、年間1ミリシーベルト以上に該当する地域はどれほどあるのか。県の環境回復チームに尋ねると、例えば同じ学校内でも校庭と側溝、草木のある場所では線量が違うことから、「現在精査している最中」だという。

   そこで、文部科学省が9月12日に公表した航空モニタリングの測定結果を目安とした。地表面から1メートルの高さの空間線量率のデータを見ると、毎時の放射線量が示されている。毎時0.114マイクロシーベルトを浴び続けると年間1ミリシーベルトに達する計算になるが、地図上で毎時0.1マイクロシーベルト以下の地域は、主に会津地方の一部に見られるに過ぎない。ただし文科省に聞いても、面積の具体的な数字までは算出していないという。

   航空モニタリングはこれまで東北と関東の計8県で実施されているが、栃木県北部や群馬県北部、埼玉県西部、茨城県南部、千葉県北部でいずれも毎時0.1マイクロシーベルトを超えている地域が多く見られる。大まかな目算だが、該当地域をすべて合わせると福島、栃木、群馬の3県をまるごと覆いそうな面積に見える。細野環境・原発相は10月4日、福島県以外でも年間1ミリシーベルト以上であれば除染の際の支援をすると表明した。3県の面積の合計は約2万5700平方キロメートル。これだけの土地を除染するとなれば、費用も年月も相当かかることは間違いない。

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