2018年 7月 20日 (金)

円高なのに外車はなぜ安くならない? 価格見直しは来年の新モデルから

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   急激な円高が続くなか、輸入車の「円高メリット」がなかなか感じられない。海外の自動車メーカーの2011年9月の国内新車登録台数は、前年同月に比べて19.8%増の2万6200台。1~9月期でも7.4%増の20万6648台と好調に推移している。

   とはいえ、「円高還元」で販売価格が下がったというような声はさっぱり聞かない。なぜ、安くならないのだろう。

販売価格は長期的に決まっている

輸入車の販売は好調なようだが…(写真は、日本自動車輸入組合のホームページ)
輸入車の販売は好調なようだが…(写真は、日本自動車輸入組合のホームページ)

   2011年10月26日の東京外国為替市場のドル円相場は一時1ドル75円98銭と、東京市場での最高値を更新。また、ユーロ円相場は前日比でほぼ横バイの1ユーロ105円95銭前後の水準で推移している。

   1年前と比べてドル円が5円近く、ユーロ円で7円近くの円高だが、こうした状況が輸入車の販売価格に反映されているとはいえないようだ。

   なぜ、販売価格が下がらないのだろうか――。日本自動車輸入組合(JAIA)は、「そもそも本国では為替変動の影響をできるだけ少なくするため、長期的な(7か月~1年ほど)輸出計画を立てているので、この間は販売価格が変わりません」という。

   販売価格は定期的に見直すが、車種によってはもともと輸入台数が少ないので計画時に為替レートも決めても為替変動の影響が少ないこともある。

   しかも最近はBMWやフォルクスワーゲン、アウディなど、ほとんどのメーカーが日本に子会社の輸入代理店を設立していて、全社的には為替の影響を抑えるようにしている。円高になれば日本の輸入代理店は儲かるが、本国は損してしまう。しかし、日本法人は連結子会社なので、結果的に本国はプラス・マイナスゼロになるというわけだ。

   日本法人と本国との資金決済に使う通貨も細分化していて、すべてを「円建て」でまかなうメーカーもあれば、車種によって「円建て」や「ドル建て」「ユーロ建て」を使い分けたり、調達する部品のよって通貨を分けたりと、「リスク分散にかなり神経を遣っています」(JAIA)と話す。

下取り価格の変動を抑えて、買い換えやすくする狙いも

   輸入車の販売価格を下げないのは、中古車市場の価格を安定化させる狙いもある。中古車の価格が為替の影響で変動すると、新車への買い替え時の下取り価格に響く。たとえば円高で下取り価格が下がりすぎると、新車への買い替えが進まなくなる可能性がある。そのため、「為替によって中古車の価格が、できるだけ変動しないようにする必要があるわけです」と、JAIAは説明。その代わり円安になって、価格が上がることもないという。

   そうした中で、輸入車販売は好調に推移している。JAIAは、「環境保護に対応した車種が売れている」と話している。日本では「エコカー=ハイブリッド車」のイメージがあるが、「欧米ではガソリン車の燃費性能を高めたりしながら、ダウンサイジングを図っていて、そういった車種を中心に売れる傾向にあります」という。

   消費者の目が「円高」に向いているため、今すぐの販売価格の引き下げが無理だとしても、装備のグレードをアップして価格を据え置くなど、どの海外メーカーも割安感を出すための工夫を凝らしている。

   「これだけ円高が進むと為替変動は無視できません。海外メーカーは、来年の新モデルの投入時には価格の見直しをせざるを得なくなるのではないでしょうか」と、JAIAは予測している。

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