2024年 4月 29日 (月)

経済が悪化しても消費税を上げるのか 「景気弾力条項」めぐり、ギリギリの駆け引き

藤井裕久会長の発言に注目集まる

   この議論で、特に注目されるのが民主党税制調査会の藤井裕久会長だ。党長老であり、旧大蔵省出身の税財政のプロ中のプロだけに、若い議員が多い民主党内での重みは格別のものがある。消費税増税推進の最重要人物である藤井氏は11月22日の読売新聞のインタビューで「(実質国内総生産=GDP=成長率)2%なら経済回復だ。国際常識だ」と語った。同30日の毎日新聞のインタビューでは、具体的な数値を盛り込むかについて、「(増税時の)状況を見ながら、そのときの政策責任者が決める。(現時点で)できるわけがない」と語り、数値盛り込みに慎重姿勢を示している。

   藤井氏の真意が不明だが、「GDP成長率2%」が条件となれば、税率引き上げのハードルはかなり高い。政府は消費税率を2013年10月以降に7~8%、2015年度に10%に引き上げたい考えと見られるが、民間シンクタンクなどの多くは2013年度の実質成長率は1%台と見ており、「2%が条件になれば、増税先送りになりかねない」(経済官庁幹部)。

   政府税制調査会などは弾力条項に具体的数字を書き込まない考えだが、小沢一郎元代表に近い議員を中心に消費税増税自体に反対する声が強まる中、年内をメドに決定する予定の一体改革の「素案」の行方は流動的で、弾力条項の扱いも含め、厳しい議論が続く。

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