2024年 3月 29日 (金)

「ランセル」再び日本から撤退 「成長していたが、目標に届かず」

   フランスの高級バッグブランド「LANCEL」(ランセル)が2012年9月末をめどに日本から撤退する。

   日本における独占輸入販売を行うランセルジャパンによると、商品の販売は12年春夏シーズンをもって一時終了し、東京・銀座にある路面店や百貨店のテナントとして展開してきた7か店を順次閉店するほか、卸売業務もやめる。ランセルの日本撤退は2004年に続き、2度目になる。

リーマン・ショックで計画狂う

   現在のランセルジャパンは、住友商事が7割、スイスのジュネーブに本社を構え、「ランセル」ブランドを保有するリシュモングループの日本法人リシュモンジャパンが3割を出資して、2008年10月に営業を開始。日本での独占輸入販売を行っている。

   住友商事は国内で展開してきた小売りやブランド事業のノウハウと国内市場に関する幅広い知識を提供し、一方のリシュモングループは「カルティエ」や「ダンヒル」といった伝統と格式を備えた複数のブランドを世界中で展開してきたノウハウを提供することで、「ランセル」ブランドの価値向上に努めるとしていた。

   設立当初は、「全国の百貨店を中心に銀座や青山、大阪、名古屋など主要地域では旗艦店も含め、40~45か店の新規出店を予定し、5年後には100億円以上の売り上げを目指す」としていたが、4年ももたずに撤退を決めたことになる。

   同社は年間売上げについて情報開示していないが、会社設立以降の赤字が解消できずにいたため撤退を決めたとみられる。

   ランセルジャパンは、「(08年の)計画はリーマン・ショック前であり、当時と市場環境が大きく変わったことで(計画どおりには)うまく行かなかった」と、撤退の理由を説明。同社は、年内にも清算される予定だ。

   出資していた住友商事も「成長は続けていたが、目標には届かなかった」と話している。

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