東京・上野動物園のジャイアントパンダ、シンシンの赤ちゃんが、生後6日目に肺炎で死んだ翌日の12日に、何の巡り会わせか「週刊少年チャンピオン」で、上野動物園に来た赤ちゃんパンダを飼育するというマンガの連載が始まった。「パンダのこ」というタイトルの連載は、妊娠がわかる前の4月終わりに決まっていたが、ネットでは「タイミングが悪すぎるだろ」「連載一回で打ち切り、なんてことになるのか?」などといった心配が広がっている。「このパンダも次の号で、肺炎になり打ち切り?」「週刊少年チャンピオン」で連載が始まった『パンダの子』」「週刊少年チャンピオン」(7月26日号)で連載がスタートした「パンダのこ」は、パンダが大好きで動物園に毎日出かけてはパンダの絵日記を付ける高校一年生の少女「佐々武乃仔」が主人公。上野動物園に妊娠の可能性があるパンダがくることを知って迎えにいったときに、正体不明の動物を拾ってしまう。実はそれが生まれたばかりのパンダ。新しくきたメスのパンダの子なのだが、「想像妊娠だった」と報じられたため、動物園に返すことができなくなり、自分で育てる決心をする、というほのぼのギャグマンガだ。 ネットでは「タイミングがとことん悪いヤツっているよね」などと心配している人もいる。「週刊少年チャンピオン」の沢考史編集長は、「連載はシンシンの妊娠がわかる前の4月末に決まっていたもので、連載開始とシンシンの出産が重なることがわかった時には、こんな偶然があるのか、縁があるんだ、と編集部みんなで大盛り上がりだった。それが本当に残念でしかたがない」と打ち明ける。「死んだパンダのためにも描き続けて」と応援コメント作者の角光(すみひかり)さんは、パンダおたくといえるほどパンダの生態をよく知っていて、ストーリーの完成度や絵のクオリティーも高い。もともと長期連載を予定していて、それに変更はないという。「せめて我々の雑誌だけでも頑張って、誠実に、そして読者に喜んでもらえるようにパンダの成長を描いていきます。ぜひ楽しみに続きを待っていただきたい」と沢編集長は話している。作者の角さんは、連載が始まる前日、「ツイッター」で「私のパンダ漫画が連載スタートという時にパンダの赤ちゃんが亡くなってしまいました。本当に、本当に残念です」とつぶやいた。沢さんの「ツイッター」には、「いきなり逆境だけど頑張れ!」「ぜひとも連載を続けて、死んでしまったパンダの生涯の続きを描いていただきたい。頑張れ、角光先生」「この漫画の中で赤ちゃんパンダが生きてくれてるんだと思うとちょっと嬉しいです」」など応援のコメントが多数寄せられている。角さんはそれに対し「上野の赤ちゃんは見れなくなってしまいましたが、まさにその『この漫画で』と思ってくださることが私にとって1番嬉しい反応です。これからもよろしくお願いします。頑張ります」と返答している。
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