2024年 4月 27日 (土)

編集長からの手紙
J-CASTニュース6周年 月間8500万PV達成、月間読者数も1000万人

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   J-CASTニュースは2012年7月26日で創刊6周年を迎えた。

   月間閲覧数は8500万PV 、ユニークユーザー(読者数)は月間1000万人以上が定着するまでとなった。これはJ-CASTニュースに直接接続している読者の数だが、配信先のYahoo!、MSNをはじめほとんどの大手ポータルサイト、携帯サイトでJ-CASTニュースを読んでいる読者も多いので、その数は巨大、嬉しいけれども社会的責任も感じる。

新聞を読めば全てがわかる時代は終わった

   大きな社会的話題が出るたびに階段を上るように読者を増やして来た。事件、スキャンダル、社会・経済問題など分野は多岐に渡るニュースを積極的に、素早く記事にしていったのが読者増につながっている。最近では、大津のいじめ事件、大阪の橋下市長ウォッチ。集中的に記者を配しているので、他メディアに負けない記事本数である。これらの記事がYahoo!ニュースのアクセスランキング上位を占めている。

   新聞は長らくポータルメディアだった。新聞記事で社会の動きがわかる、新聞に載るものがニュースである、とまで言われてきた。Yahoo!ニュースに新聞発の記事は多いが、それ以外の媒体からの記事も大量に集積されている。検索を使うと情報の量と範囲はさらに広がり、新聞を読めば全てがわかる時代は終わった。

   J-CASTはポータルを目指していない。ポータルの中にユニークで魅力的な位置を占めたいと考えている。視点と記事のスタイルに独自性を出し、読者からのコメントをコンテンツの主要な要素と位置づけている。

   ハーバード大学サンデル教授のNHK「白熱教室」は正義論の大ヒットとなったが、次いで放送されたコロンビア大学ビジネススクールのアイエンガー教授は、「選択」の落とし穴を科学的調査で説明、選択メソッドが人気だった。たとえば、動物園のゾウの寿命が野生より短いのは、野生のような「選択」の自由が無いからだという。記事も同じで、ポータルの中で自由に選んでもらう。これは読者にとってストレスの小さい記事の提供方法ではないか。

読者コメント欄でいかに多くの選択肢があるかわかる

   また同教授は、人間が自分に都合の良い情報を選ぶ傾向「確認バイアス」について、国際問題専門家の予測がほとんど当たらない例を示している。これは、J-CASTニュースの読者コメント欄を見ると、その視点、情報は豊富で、専門家の想像を超えるいかに多くの選択肢があるかがわかる。

   スーパーマーケットは品揃えが多すぎると売れない、品数を絞ったほうが売れる。普通の人の知覚判断には限界があり、7プラス・マイナス2の範囲でしか選択できないという研究も紹介している。J-CASTはポータルのように大量のニュースを提供してはいない。特集記事、トピックスは1日10本以内に絞っている。

   以上の説明は、アイエンガー教授の教えのなかからJ-CASTに都合の良いところだけを「選択」したという面はあるが。

   東京スカイツリーの展望台から東京の街並みを見て、東京タワー展望台からではない美しさを感じた。町の騒音が聞こえない。ごみごみしたところは見えないので、ミニチュア動画の街のように可愛らしく、穏やかである。ゆったり蛇行する川、東京湾の曲線、高速道路のアクセント。風景画のようで、望遠鏡で覗く気持ちにはならない。300、400メートルという距離から見ると、汚いところが見えないからだろう。

   J-CASTニュースは、望遠鏡や顕微鏡を覗き、ネットの雑音を拡大、あるときは家の中にまで入り込むと批判する人もいる。芸能界からは文句も来る。創刊以来、ニュースウォッチを編集方針のひとつにしているが、もっと苦労して取材しろとのお叱りもある。まだまだ、明治時代の草創期の新聞のように粗削りで、ゲリラのような面はあるが、その初心も大事だと思っている。進歩はしないが、進化中です。

J-CASTニュース発行人 蜷川真夫

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