マクドナルドがレジカウンター上の「メニュー表」を廃止し、それがネットで物議をかもしている。不便になるという人のほか、話すのは苦手という人やお年寄りが困る、といったさまざまな不満が出ているが、日本マクドナルドは「待ち時間の短縮のため」と意図を説明し、元に戻すことはないようだ。「そんな視力検査みたいなこと嫌だよ。メニュー見えないよ」マクドナルドでは2012年10月1日から、全国の店舗でレジカウンター上に置かれる「メニュー表」を廃止した。メニュー表はA3程度の大きさで、全てのメニューと値段などが書かれている。お客はレジに着いてから、これを見ながら注文を決めるというのが、これまでの流れだった。今回それが廃止されて、お客はレジ上方に設置されたメニューボードと呼ばれるパネルや、通路に張られたポスターに書かれたメニューを「メニュー表」がわりに使い、並んでいる間に注文を決めるかたちになった。レジでは伝えるだけというわけだ。なお、ポスターはすべてのメニューを網羅するが、メニューボードに並ぶのはセットメニューや季節商品、「100円マック」などで、全部載っているわけではない。変更を受けて、ネットでは賛否両論が巻き起こった。「ついにマックにメニューボードが!これでレジに立たずとも(並んでいる間に)メニューを吟味することができる!」「先に携帯みてクーポン選んでからいくよね。メニュー表などいらぬ」と支持する声もあるが、多くは不便を訴えるものだ。店員と対面で会話するのが苦手という人が、「いつもマックで注文するときは、メニュー指さしながら喋らないようにしてたのにこれじゃあ行けない」とつぶやいたほか、「そんな視力検査みたいなこと嫌だよ。メニュー見えないよ」「レジ上のメニューにわたしの頼みたいのなくって、しかも名前とかオボエテネーヨ」とメニューボードとポスターの見にくさを指摘する声が相次ぎ、ついには、「メニューが見にくいのって焦らせて高いの買わせるためだよね?」という憶測まで飛び出した。実際、店頭で通路に張られたポスターの文字の大きさでは、列に並びながら首を横に向けて確認するのは少々難しい印象を受ける。メニューボードの値段も写真が目立って探しにくく、レジ前で見上げてようやく自分の欲しい単品メニューの記載がないと確認できた。また、より深刻な問題を指摘する向きもある。「レジで悩まられると急ぎの人達に迷惑がかかる」それは、お年寄りや障害者など、耳や目が弱かったり、話すことの難しい人が注文しにくくなるのではないか、という心配だ。しかし、マクドナルドの広報担当は「お声かけいただければ、『メニュー表』のご用意はあります」という。また、撤廃の意図についてはこう説明した。「お客様の並んで待つ時間のストレスを減らしたい。ゆくゆくは、列に並んでいる間にメニューボードや通路のポスターで注文を考えることに慣れていただければ」同社の原田泳幸社長は以前から「レジが30秒短縮されれば、売り上げが5%伸びる」と発言している。今回の変更もレジで選択に悩む人を減らすことで、待ち時間の短縮を狙っているようだ。実際、元店員と思われる人物がツイッターで、「レジの前のメニューだけを頼りにレジで悩まられると急ぎの人達に迷惑がかかるんだよね(原文ママ)」などと発言している。
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