2024年 4月 27日 (土)

「キャプテンしばけば何とかなると思っているのですか?」 自殺した桜宮高生の「届かなかった手紙」

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手紙を渡そうとしたが、他の部員から引き止められた

   被害生徒は20日に顧問教諭にこの手紙を渡そうとしたが、他の部員から引き止められたため、思いとどまった。

   いったいなぜ、被害生徒だけが「理不尽」な暴力を受けたと感じ、その告発を他の部員は引きとめたのか。

   「見せしめは効率的だ」―――ノンフィクションライターの窪田順生さんは、「桜宮高校バスケ部キャプテンの自殺の原因は『体罰』ではない」と題した2013年1月17日付けのコラムでこんな分析をしている。

   そこでは「孫子の兵法」で有名な孫子の「見せしめ」メソッドを紹介した。女性だけで強い軍隊を作れと命じられた際に、2人の女性を「隊長」に任じ、彼女らが怠けたりふざけたりすると首をはねた。これをみた他の女性らは死に物狂いで訓練をするようになった、というものだ。

   その上で、この孫子に顧問教諭を、隊長に被害生徒をたとえ、

「士気を挙げたい独裁者からすると、『隊長』だけを吊るし上げればいいのでラクだ。また首をはねられる側じゃなければ、それほど恨まれないので、孫子のように『素晴らしい軍師』なんてもてはやされることもある」

と説いている。

   たしかに、顧問教諭をめぐっては事件発覚当初から、OBや保護者、在校生らによる擁護コメントが多くあがっていた。被害生徒が1人で思い悩み自殺にまでいたってしまった原因の一つには、こんな構図もあったのかもしれない。

「キャプテンしばけば何とかなると思っているのですか?毎日のように言われ続けて、僕は本当に訳がわからないとしか思っていません」

   届かなかった手紙には、こんな言葉も書かれていた。

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