2024年 4月 25日 (木)

テルマエ・ロマエ「興収58億で作家の取り分100万」騒動 映画製作者・出版社と作者間の問題浮き彫りに

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   ヤマザキマリさん作の漫画「テルマエ・ロマエ」が映画化され、興行収入の割にヤマザキさんに支払われる原作使用料が低額だったという騒動について、ヤマザキさんの代理人を務める弁護士がコメントを発表した。

   書籍の二次利用について出版社が独自の権利を主張しつつある中、出版業界は作者の権利がないがしろにされていると言ってもいい状況に陥っていることが、今回の騒動で明らかになった。

「金額が不満なのではなく、十分な説明なかったことに疑問」

   発端は2013年2月23日放送の番組「ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」(TBS系)に出演したヤマザキさんが、「映画『テルマエ・ロマエ』の興行収入が58億円だったのに原作使用料として支払われたのが100万円だった」と明かしたことだった。ヤマザキさんは他にも「権利を出版社に売ってしまう形になるので、100万円で何やってもいいよっていう状況に」「知らないうちに出版社から『あんたの所に後で100万円くらい入るけどあれが原作使用料だから』って」「丸1日かかる番宣もノーギャラ」といった内情を暴露し、インターネット上で「そんなに安いのか」と驚きが広がった。映画の製作にフジテレビが関わっていることから、フジテレビへの批判の声も高まっていた。

   騒動を受け、ヤマザキさんの契約交渉や契約管理などの代理人を務めている四宮隆史弁護士がコメントを発表した。

   フジテレビと直接の契約関係にあるのはヤマザキさんではなく出版社(エンターブレイン)で、フジテレビが原作使用料を低額に抑えたなどの事実はない、とした上で、ヤマザキさんは100万円という金額に不満を抱いているわけではなく、金額設定について出版社から十分な説明を受けていないことに疑問を抱いていると説明。作者の知らないところで第三者同士が作品の価値を決め、十分な説明もなく結論だけ知らされることで「作品をリスペクトする気持ちがないのではないか?」という不信感につながっていくとしている。

   さらに四宮氏は、最近の紙媒体の事業の低迷などにより、出版社が書籍の電子化や二次利用について独自の権利を主張し始め、それを守るために作者に十分な説明をせず、作者は自分の作品がどんな条件で売られているか知ることも出来ないという問題点を指摘している。

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