2024年 4月 25日 (木)

北朝鮮の「様子がおかしい」「次の一手」に警戒感募る 「予測できないリーダー」金正恩への不安

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   北朝鮮が挑発をエスカレートさせている。過去に同じようなパターンが何度も繰り返されてきたが、今回は「様子が違う」と注視する専門家は少なくない。

   日本や韓国、米国に対して「核戦争」をちらつかせ、緊張をあおっている。指導者の金正恩第1書記の真意が見えないため、「経験の浅いリーダーが事態を悪化させる」との懸念も出ている。

祖父・金日成、父・金正日よりも行動がわかりにくい

「全面戦争に向けて軍の準備はできている」
「日本も核の先制攻撃の例外ではない」
「最終決戦の時が来た」

   北朝鮮の国営メディアや、朝鮮労働党の機関紙から流れてくる威圧的な言動は、日を追うごとに激しくなっている。3度目の核実験を強行した後、国連安保理で2013年3月7日に北朝鮮に対する制裁強化が決議され、11日から米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」が始まると、朝鮮戦争の休戦協定を白紙化すると一方的に宣言した。

   行動も過激さを増している。韓国政府関係者によると3月15日、短距離ミサイル2発を日本海に向けて発射した。無人攻撃機とミサイル迎撃訓練を行い、金正恩第1書記が立ち会ったと20日の朝鮮中央テレビが伝えたという。

   ポーズだけか、本気なのか――。「ニューズウィーク日本版」3月26日号では「金正恩の暴走」と題した特集を組み、北朝鮮の動きは過去と比べて、より深刻になっているとの見方を紹介した。不安材料として挙げられたのが、「金正恩がどういう人物なのかがいまだに分からない」点だ。経験のないまま党と軍を指揮する立場となり、学ぶ時間はほとんどなかった金氏は「行動が読みにくく、時にはまったく読めないこともある」という。例えば米国と、ミサイル発射計画の中止と引き換えに食料支援を得る合意をしたにもかかわらず、食料が輸送される前にミサイル発射実験を行い、約束を反故にした。「強気過ぎて、計算を誤っているように思える」と推測、それにより戦争につながりかねないと危惧する。

   北朝鮮問題に詳しいソウル在住の韓国人ジャーナリストも、J-CASTニュースの取材に対して「(金正恩氏という)若くて不安定な北朝鮮のトップがどんな動きをするのか、予測するのは大変難しい」と打ち明ける。祖父の金日成氏や父の金正日氏(いずれも故人)よりも「行動が分かりにくい人物」で、韓国の専門家たちを悩ませているようだ。

最終決戦までのタイムリミットは7月27日?

   韓国では3月20日、テレビ局や金融機関に対する大規模なサイバー攻撃が仕掛けられた。韓国政府は21日、原因となったウイルスが中国経由で送られてきたと発表。前出の韓国人ジャーナリストは、「確定ではないが、北朝鮮の関与が濃厚。韓国にとって新しいタイプの脅威という意味で、影響は大きい」と話す。

   北朝鮮がさらに態度を硬化させれば、日本への影響も出てくるだろう。3月21日放送の「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)に出演したコリア・レポートの辺真一氏は、日本を名指しして核攻撃の可能性に言及したのは初めてという点に注目した。全面戦争が起こり、在日米軍が出動すれば日本が「後方基地」の役割を果たすことになる。それを阻むために日本への攻撃を辞さないはずだと辺氏は分析する。3月21日には朝鮮中央通信が、日本本土や沖縄の米軍基地は「攻撃の射程内にある」と改めて「警告」したという。

   北朝鮮が「核戦争」に言及して日米韓を相手に揺さぶりをかけるのは、米国と関係正常化するために交渉の場に引っ張り出すのが目的ではないかと辺氏。米国による敵視政策を改めさせ、最終的には「米朝平和条約」を締結して、攻撃対象にされる可能性を排除するまで持っていきたいようだ。金氏の第1書記就任1周年にあたる4月11日や、日中韓首脳会談が予定されている5月下旬が、何らかのアクションを取るタイミングとしてあり得るという。さらに、朝鮮戦争休戦協定締結60周年にあたる7月27日を「タイムリミット」として考えているのではないか、との見方を示した。

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