2024年 4月 28日 (日)

13年夏参院選 野党はいま
アントニオ猪木氏「原発10年後にやめる」 維新の会選挙公約との「かい離」明白

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   日本維新の会の参院比例区から出馬することが決まっているアントニオ猪木氏が、維新の会の方針に不満をもらしている。いわく、「猪木の使い方が分かってねーなー!」。どの程度本気で怒っているかは明らかではないが、今よりも広い分野で意見表明したい様子だ。

   だが、発言の中には維新の公約と矛盾するものもある。橋下徹共同代表と石原慎太郎共同代表の路線の対立が問題になる中、猪木氏の存在が、維新の分裂ぶりをさらに印象づけている。

かつては永久機関の開発を提唱

   猪木氏は2013年6月30日、選挙期間中に拠点として利用する事務所を開設した。この席で、冒頭の「使い方が分かっていない」という発言が出た。「おれだって、ただの『ビンタおじさん』じゃ困る」とも述べ、ビンタや単なるかけ声以外でも露出を増やしたい様子だ。

   政策面を含めて発信力を強化する狙いもあるとみられるが、この日猪木氏が口にした政策のひとつが「原発を10年後にやめよう」。猪木氏は、かつで「外部からのエネルギーを一切使用せずに運動を続ける発電機」(永久電気)の開発を提唱していたことがあり、このことを念頭に置いている可能性もある。

   これに対して、日本維新の会が6月27日に発表した公約では、

「既設の原子炉による原子力発電は2030年代までにフェードアウトさせる」

とあり、明らかに党の方針と矛盾する。

「『猪木の使い方が分かってねーなー!』って、ちょっとキレてます」

   実は、この「猪木の使い方が分かってねーなー」という発言は、事務所開きが初めてではない。猪木氏は6月27日にニコニコ生放送で放送された「『維新なチャンネル』(仮)」にも20分近く出演。スタジオ入りした直後に、

「今回、難しいことは別にして、『もう1回維新に元気を』と言うことで飛び出したので、そういう中で『猪木の使い方が分かってねーなー!』って、ちょっとキレてます」

と挑発してみせた。別の出演者が、

「まああの、とりあえず座っていただいて」

と勧めると、猪木氏は、

「いやいや、もう怒ってますからね、燃えてますからね」

と、やや笑顔ながらも「怒りぶり」をアピールした。

当選すれば「外交を専門に…」

   猪木氏は、

「有り難いことに、立った瞬間に人がブワーッと寄ってきてくれる。こんな候補者いないと思いますね」

と自らの集客力を強調。当選後の構想についても、

「もし政治の場に出させていただければ、そのときには外交を専門に…。これからは維新は外交も勉強しなきゃいけないと思う。1国では生きていけない。東アジア、中東では、私は『モハメド・フセイン』という。中東の社会ではみんな知っている。あとは南米。私の第2の故郷はブラジル。人間的な関係を持っている。今、世の中で一番人間的なつながりがなくなってしまっている」

と持論を展開した。

   猪木氏は北朝鮮への渡航が多いことで知られているが、拉致問題については、

「話し合いがなくして、どうして拉致(問題)が解決するのか。単純なことだと思う」
「(北朝鮮が)話し合いをしようということに少しでもなったので1歩前進だ」

と、対話路線が進みつつある現状を評価した。

   猪木氏は1989年から95年の参院議員在任中、本会議や委員会で68回発言している。そのうち44回が外務委員会での発言だ。これを踏まえると猪木氏の「外交が専門」という発言は必ずしも間違いではないが、維新の会の公約を見る限り、外交分野で北朝鮮や中東、南米に関する記述はない。ここでも、猪木氏の関心事と党の方針がピッタリ、とはいかないようだ。

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