「ネット右翼(ネトウヨ)」問題がメディアを騒がせるようになって久しいが、そのネトウヨたちの「仇敵」韓国でも、「韓国版ネトウヨ」が増殖、社会問題になりつつあるという。韓国側は日本の「嫌韓」言論をしきりに批判するが、なんのことはない、韓国ネットも一皮剥けば、日本のネトウヨと同じかそれ以上の罵詈雑言が飛び交っている。国家+ヒロポン、「クッポン」が流行語に韓国版ネトウヨの巣窟と言われるウェブサイト「イルベ」。2ちゃんねる顔負けの苛烈な暴言が飛び交う「韓国のネット社会に噴出する愛国過剰とその反作用 韓国を過度に賛美する『クッポン』の実態」韓国の大手紙・朝鮮日報に2013年8月26日、こんな記事が掲載された。ここで言う「クッポン」とは「国家(韓国語でクッカ)」、「ヒロポン(覚せい剤)」を合成した言葉だ。自国への愛国心にまるで薬物のようにのめりこんでしまった状態を指す。「愛国中毒」とでも意訳すべきだろうか。元々はネットで、いわゆる「韓国起源説」を信じ込み、「韓国人がメソポタミア文明を築いた!」などと発言する人々を嘲笑する言葉だった。これが転じて、韓国への愛国心をやたらに表に出すような行為全般を指すようになったという。8日、韓国「ニュース1」はこんな「クッポン事件」を報じた。ベトナムのある博物館に、古い地球儀が展示されていたのだが、何者かがその「日本海(SeaofJapan)」と表記されていた部分を無理やり削り、「韓国海(SeaofCorea)」と書き加えていたのだ。韓国の「愛国者」がやったものだろう。これがネットで話題になると、「いくらなんでも他国の文化財にやることか」「クッポンはどこにいっても迷惑しかかけない」などと批判が相次いだ一方で、この「クッポン」の行動を賞賛する声も少なくなかった。海外で韓国がどう評価されているか、異常なほど気にするのもクッポンの「症状」の1つだ。韓国人スポーツ選手やK-POP歌手に関する報道に一喜一憂するのは、その典型例といえる。特に日本の反応はかなり気になるようで、2ちゃんねるのスレッドを翻訳、まとめているサイトもある。日本側から韓国をあざ笑う声が出ようものなら、「韓国のことにいちいち口出すんじゃねえ! このストーカー国家め!」などと憤る人も。「ネトウヨ」の韓国への反応とそっくりなのが興味深い。上記の朝鮮日報ではこうした「クッポン」について、「自らの優秀さを他者に認めてもらいたがる」韓国人の民族性に起因するのでは、との見解を紹介している。「スコル」「ウパル」「イルベチュン」など蔑称多々このほかにも、韓国版ネトウヨに対する呼び方は多々存在する。「スコル」は韓国語の「守旧」+「バカ」を混ぜた言葉で、「クソバカ保守」ぐらいのニュアンスらしい。「ウパル」というのも似た意味だ。またこうした言葉と同時にしばしば使われるのが、「イルベチュン」だという。「イルベ」はニュース・政治・雑談などを扱う掲示板サイト、「チュン」は虫だ。「2ちゃんねらー」をさらに悪くしたイメージかもしれない。2ちゃんねるがネトウヨの巣窟といわれているのと同様、イルベにもスコルが集う。そしてネトウヨが朝日新聞などを叩くように、彼らもリベラル派のメディアや知識人(「ザパル」「従北」、日本でいうブサヨ、売国奴)などに、執拗な攻撃を行い続ける。ある韓国人ブロガーは、「今やネット上は『スコル』と『ザパル』の応酬で、まともな議論が成立しない」と嘆く。もちろん日本も、彼らの格好の標的だ。「放射能国」「日本女と結婚するとどんな奇形が生まれるの?」「東京五輪の真っ最中にまた地震が起きねえかな」などなど、見るに耐えない暴言の数々がそこには並ぶ。かと思えば、日本のアニメや漫画はかなり好きなようで、日本と特に関係ないスレッドにもアニメキャラの画像が貼り付けられていることも珍しくない。中国でも、「憤青」と呼ばれる極端に愛国主義的なネットユーザーが社会問題化しているが、その言動が日本の「ネトウヨ」によく似ているとたびたび指摘される。韓国の「クッポン」「スコル」についても、韓国メディアはネトウヨとの相似を解説している。
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