2024年 4月 26日 (金)

高橋洋一の自民党ウォッチ
評価できる「韓国軍への銃弾供与」 批判的な一部マスコミは的外れだ

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   安倍政権は国連と韓国政府の要請を受け、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)で陸上自衛隊の銃弾を派遣団の韓国軍に無償譲渡した。菅義偉官房長官の談話では、今回の提供を武器の輸出を禁じた武器輸出三原則の例外扱いとしている。

   これに対して、マスコミの意見が大きく割れていている。朝日新聞と毎日新聞の社説は、武器輸出三原則の例外扱いにすることに疑問を呈したり批判したりしている。政府のいう緊急性について、韓国政府と日本政府の説明の食い違いを指摘し、慎重な対応が必要としている。一方、産経新聞の社説(「主張」)では、そもそも武器輸出三原則が国際常識に合わないので、その見直しをすべきだと主張している。

「尖閣の中国漁船衝突事件」時と比べてみると

   ここで、ポイントになるのが緊急性である。この点で、今回の政府の情報公開に対する対応は評価できる。思い起こすのが、2010年に尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件である。その状況は海上保安庁によって録画されていたが、当時の政府は公表しなかった。録画ビデオが職員の誰でも見られる共有サーバーにあったことから、当初は公表予定であったが、その後公表不可に方針変更されたものと、筆者は推測していた。すぐにビデオを公表し国際社会へアピールすべきだったと思ったが、実際には公表されずにビデオ流出という最悪の展開だった。

   今回政府は、韓国からの要請があったとして、具体的には、現地に展開中の韓国隊部隊長と在日大使館から要請を受けたとすぐに公表している。日本の小銃弾はNATOと米軍のものと互換性がある中、日本に要請してきたことは何より緊急性があったという証だ。尖閣ビデオ事件の時の対応と比べれば、どちらが国益に即しているか、一目瞭然である。

   なお、尖閣ビデオ流出事件の時、朝日新聞と毎日新聞は、国の情報管理の杜撰さを批判して(朝日社説2010年11月17日付など)、この事案の情報公開には慎重な立場だったと記憶しているが、今回の事例と比較すると興味深い。産経新聞は、ビデオの公開には積極的だった。

   いずれにしても、なぜマスコミでこのような対応差がでるかといえば、背景としては、もちろん武器輸出三原則で「堅持対見直し」、さらに集団的自衛権で「否定対肯定」、ひいては憲法で「護憲対改憲」、という立場の差がある。

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