2024年 5月 6日 (月)

日の丸ロケットは生き残れるか 「後継機開発」「コスト削減」が課題

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

欧州、ロシア、米国と競う

   世界の商業衛星打ち上げ市場は欧州とロシア勢が中心だ。大型衛星では、世界で運用中の商業衛星の半分以上がアリアン社の打ち上げで、サービス力と実績を背景に「3年先まで受注済み」という。小型衛星では冷戦時代の大陸間弾道ミサイルを転用し、低価格が売り物のロシアが強い。

   日本のH2Aは外国衛星の打ち上げ実績が2012年の韓国の1基のみで、それも日本の衛星と相乗りで格安になったから実現した例外。イプシロンも、2号機は2015年度に地球周辺のプラズマ現象などの国産観測衛星を打ち上げる予定だが、3号機以降は未定と、いずれも心もとない。

   日本は、大型衛星はH2Aや後継のH3で、小型衛星はイプシロンで、打ち上げ受注を狙う。そのためには、実績で信頼性を高めつつ、コストを下げ、競争に勝たなければならない。「衛星の開発や運用も併せて請け負う"パッケー ジ"で売り込む体制の強化も必要」(関連業界関係者)との指摘もある。

   また、衛星自体の動向も、大型化と小型化の二つの潮流がせめぎ合い、先が読みにくい。通信・放送衛星などは長寿命化のため燃料やバッテリーを増やして大型化する傾向がある一方、燃料を使わずに電機で飛行するイオンエンジンにより重さを半分に減らす衛星の開発も進む。どちらが主流になるのか、どのような住み分けになるのか。その行方により、打ち上げるロケットへのニーズも大きく変わってくるだけに、今後の開発には柔軟性も必要と言えそうだ。

1 2
姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中