2024年 4月 23日 (火)

ふたつの2ちゃんねる「抗争」本格化 管理人同士が「よほどの事態」に陥った結果か?

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   インターネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき(西村博之)氏が、新たに「2ch.sc」を立ち上げたが、古巣の「2ch.net」の管理者と今もゴタゴタが続いている。

   見た目だけでなく、中身まで「2ch.net」とそっくりなつくり。ひろゆき氏のねらいは不明だが、「2ちゃんねるを乗っ取るという行為」に対する当てつけにも見える。

「クローラー」使って書き込み情報を収集か

トップページからそっくりのデザイン
トップページからそっくりのデザイン

   ふたつの2ちゃんねるのトップページを見比べると、ほとんど同じだ。違いは、「2ch.sc」には無料配布を認める「自由利用マーク」、さらに「転載時には2ch.scにリンクを張ってね」と事実上転載を認めるひと言がある。「無断複写・転載を禁じます」と明記されている「2ch.net」とは一線を画している。

   ページのデザインやつくりだけでなく、書き込み内容も全く一致するものが多い。2ちゃんねる上の書き込みや一部報道を総合すると、「2ch.net」に書き込まれたものを、クローラーと呼ばれるウェブ上の情報を定期的に収集してデータベース化するプログラムを使ってコピーしている可能性が高い。逆に「2ch.sc」に書き込まれたものは「2ch.net」に反映されないそうだ。

   そこで「2ch.net」側はクローラーを遮断し、代わりに「転載は禁止です」とのメッセージを「お返し」したと報じられた。このため「2ch.sc」には一時、「転載は禁止です」というコメントが羅列される事態となったようだ。ただ2014年4月15日午後時点では、すでに通常の書き込み内容が反映されている。複数のクローラーを動かしているのか、手動で対応しているのか、はっきりしたことは分からない。

   ひろゆき氏は、「2ch.net」の現管理者に対して「サービスとドメインの違法な乗っ取りをしている」と批判し、自分こそが正当な所有者だと主張する。その意味で、見た目やつくりがほぼ同じ「新サイト」をつくり、情報内容もそっくりそのまま引っ張ってくる手法をとることで正当性を訴えているようにも見える。転載自由に「戻した」のも、同氏ならではの考えがありそうだ。

「ユーザーにとって書き込む先はどちらでも構わない」

   ITジャーナリストの井上トシユキ氏に聞くと、今回の騒動は「わけがわからない」と首をかしげつつも、ひろゆき氏と「2ch.net」管理人のジム・ワトキンス氏の間でお互いによほど腹に据えかねた事態に陥ったのかもしれないと推測する。「知らない仲」ではなかったふたりの関係がこじれた結果だが、わざわざ「そっくりサイト」を立ち上げ、書き込みの中身もほぼコピーし、広告を掲載せず収入度外視となれば、ひろゆき氏のねらいが読めないというのだ。単なる嫌がらせかもしれないが、ここまでやるのはワトキンス氏の「乗っ取り」に対する怒りが相当大きいのか。

   ふたつの2ちゃんねるが存続する可能性について井上氏は、「ネットユーザーは、書き込む先はどちらでも構わないと思うでしょう」と話す。ほぼ同じサイトなのだから、特別な理由がない限り「箱」としての機能は変わらない。そのうえで、ひとつの見方を示した。2ちゃんねるが、ネット上の話題拡散のうえでどのように機能しているかという点と関連する。

   最近のパターンは、ツイッターで「炎上」しそうな投稿が発見されると、ユーザーがそれを拾って2ちゃんねるで話題を盛り上げ、ひと騒動巻き起こった末に「まとめサイト」で一連の流れがまとめられることが多い。例えば、アルバイトが勤務先の売り場や厨房で不適切な行為をした写真がツイッターで公開された際、それを見つけたユーザーが2ちゃんねるに書き込んで本人の特定や関係各所への通報へと発展し、まとめサイトで「バイトが解雇された」「学校を退学処分になった」といった結果とともに経緯が詳しく示された。

   仮にこのままふたつのサイトが続いていくとしたら、転載禁止を掲げている「2ch.net」はまとめサイトと共存するのが難しい。「2ch.sc」は転載自由なのでこれまで通りの「情報の流れ」が確保できる。この点だけを考えれば、ユーザーが書き込みやすく、かつ情報が集まりやすくなるのは「新サイト」になるかもしれない。

   とは言え、双方の管理人は対立関係にあり、ふたつのサイトは「競争相手」というよりは「本物とニセモノ」を争う間柄という方が近そうだ。現時点では不透明な部分が多いが、平和的に併存するとは考えにくく、どちらかが閉鎖に追い込まれたり「1本化」したりすることもあるだろう。

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