2024年 4月 23日 (火)

高値買い取り狙って中国勢が太陽光発電進出 「日本の消費者の負担で中国儲けさせるなんて」と不満の声

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   中国の再生可能エネルギー大手が日本で大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業に参入する、というニュースが流れ、複雑な波紋を広げている。

   日本の太陽光電力の買い取り価格が世界的にみても高いことを狙った進出とみられるうえ、この会社はソーラーパネルなどの施設も生産していて、「日本の消費者の負担で中国をもうけさせるのはいかがなものか」といった不満が出ているからだ。

欧州の穴埋めを、「儲かる」日本で!

中国企業が、日本の太陽光発電事業に参入する?
中国企業が、日本の太陽光発電事業に参入する?

   経済産業省によると、国内の大規模太陽光発電所(メガソーラー)は、計画・建設中が53か所、稼働中が15か所ある(2014年2月17日現在)。発電事業者には、地方自治体をはじめ、商社や鉄道、スーパー・コンビニエンスストア、電機メーカー、NPO法人に投資ファンドなどが参入し、幅広い。

   そこに、再生可能エネルギーを手がける海外の事業者が参入する。日本経済新聞(7月8日付)によると、中国の漢能太陽能集団(ハナジー・ソーラー)がメガソーラー事業に参入。2015年中に1万キロワット(kW)の太陽光発電所を建設する、という。

   経産省は、中国や米国、韓国などの海外メーカーの太陽電池モジュールを搭載しているメガソーラーはあるが、「発電事業そのものを手がけるケースはめずらしい」と話す。

   中国企業が日本のメガソーラー事業に参入する背景には、日本の電力の買い取り価格が世界的に高いことがある。

   日本の電力の「固定価格買い取り制度」は、制度が始まった2012年7月が毎時1kWあたり40円(税別、10kW以上の発電事業者)。13年度は36円(同)、14年度は32円(同)と徐々に引き下げられてはいるものの、買い取り制度で先行するドイツ(13~19円、12年1ユーロ=100円換算)と比べると、日本のほうが約2倍も高い。ハナジー・ソーラーは、そこに目をつけた。

   同社は、太陽光パネルも中国から供給するという。自社で安く製造して設備投資のコスト抑えて発電できれば、利幅は大きい。「日本は儲かる市場」というわけだ。

   加えて、これまでの約10年間、太陽光発電の市場をけん引してきた欧州市場の新規導入が大きく減少したこともある。

   欧州にある太陽光発電産業協会(EPIA)によると、太陽光発電の新規導入量が2013年に最も導入量が多かったのは中国で、11.3ギガワット(GW、1GW=100万kW)。次いで日本が6.9GW、3位は米国の4.8GWだった。一方、ドイツは3.3GWで、前年の7.6GWから約57%減。イタリアは1.1~1.4GWで前年と比べて約70%も減った。

   2012年まで世界最大だったドイツをはじめ、欧州市場が13年に大きく縮小に転じたことから、その穴を埋める新天地として日本に照準を合わせたということらしい。

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