2024年 4月 30日 (火)

ユニクロ、世界展開加速 海外に800店超え、ブランド戦略強化

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   カジュアル衣料店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは2014年10月9日、2015年8月期の連結売上高(国際会計基準)が、前期比15.7%増の1兆6000億円になるとの業績予想を発表した。

   同社は2017年に売上高2.5兆円、2020年に5兆円という野心的な目標を掲げている。グローバル展開を加速し、目標を射程に入れたい考えだ。

総店舗数は初めて3000店を突破する計画

ユニクロの目線はもう世界(画像はユニクロのホームページ)
ユニクロの目線はもう世界(画像はユニクロのホームページ)

   2015年8月期の営業利益は前期比38%増の1800億円、純利益は同34.1%増の1000億円と増益を見込む。そのために特に重視するのは海外展開で、国内ユニクロ店舗は8店舗減の844店舗にとどまる一方、海外ユニクロは185店舗増の818店舗と国内に迫る。この結果、低価格ブランド「ジーユー」や、女性向けブランド「セオリー」なども含めると、総店舗数は3015店舗と、初めて3000店を突破する計画だ。

   海外ユニクロは、中国・台湾・香港約100店舗▽韓国約30店舗▽東南アジア・オセアニア約45店舗▽米国約20店舗▽欧州約5店舗の新規出店を計画。赤字続きの米国も、早期の黒字化を目指す。

   人口が減少する中、国内市場で大きく伸びないことは、誰の目にも明らか。売上高の中長期目標を達成するには、海外での成長が不可欠だ。高品質の商品を、手ごろな価格で提供するというのがユニクロの信条。流行に左右されにくいベーシックなデザインが多いため、店舗数が増える分だけ収益に貢献するとみている。

世界最適地で経営を極める

   課題は欧米での展開だ。中国や韓国などアジア各国では、既にブランド力を確立しているが、欧米での知名度は今ひとつ。そこで新たなブランド戦略にも取り組む。社内に「グローバルクリエイティブ統括」というポストを新設し、米ナイキやコカ・コーラ、マイクロソフトなどのブランド戦略を手がけたジョン・C・ジェイ氏を招いた。商品、店舗デザインなどを任せるといい、スウェーデン「H&M」やスペイン「ZARA」などライバルに劣るとされるブランド力を高める司令塔と位置付ける。

   さらに「世界最適地で経営を極める」ため、デザイン本部は米ニューヨーク、 次世代ビジネス本部は米サンフランシスコ、 文化情報発信本部は仏パリや英ロンドンに置く構想を描く。世界規模で購買や調達構造を最適化し、徹底したコスト削減に取り組むことで、利益率を高める。

   国内でも安定成長を目指す。2016年初頭の稼働を目指し、大和ハウス工業と共同で、東京・有明に巨大物流施設を建設するのが、その柱だ。倉庫と配送センターの機能を併せ持ち、地域によってはインターネット通販の即日配送が可能になるほか、店舗での欠品にも迅速に対応する。こうした大規模施設を東京以外の大都市にも建設し、利便性を高める考えだ。

   2014年8月期の連結売上高は前期比21%増の1兆3829億円、営業利益は2.8%減の1304億円、当期純利益は28.7%減の745億円だった。2012年に買収した米高級ジーンズ「Jブランド」が不振で損失を計上したため減益となったが、国内外のユニクロ事業は増収増益だった。世界展開がどう実を結ぶのか、注目されそうだ。

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