2024年 5月 4日 (土)

逸ノ城よ「ケチな相撲」をとるな 白鵬もガッカリする取り口

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大相撲の世界に入ってまだ2年

   翌日の横綱白鵬との一番では、組んだとたん投げ飛ばされた。

「(オレと)長い相撲を取るのは、まだ早いな」

   白鵬は軽く言い放った。先場所優勝した後、白鵬は逸ノ城の健闘をたたえ、大相撲人気の復活のヒーローとまで言った。それがこうまで言わせることになったのは失望したからだろう。モンゴルの後輩として期待しただろうから、なおさらきつい言葉になったのだと思う。

「変化して勝っても次につながらない」
「汗もかかずに楽をして勝ったら出世などできない」

   こんな指摘もある。確かに大関、横綱になった力士は正攻法の相撲を取ってきた。そうしないと上位力士の強さが分からないし、稽古の仕方も違ってくる。

   ただ逸ノ城が大相撲の世界に入って2年ほどしか経っていないことも周囲は考慮する必要がある。まだ右も左も分からない状態だし、相撲の取り方も未熟だ。今は大きな体とパワーを生かした力ずくの相撲でしかない。

   おそらく逸ノ城は、とにかく勝つ、ということしか頭にないのだろう。プロだから当たり前のことなのだが、大器ゆえに周りの声はかまびすしい。直属の親方の指導は、本人、大相撲のために重大である。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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