2024年 4月 20日 (土)

平昌五輪への「協力」長野市長呼びかけていた そり競技施設「使うなら全力で応援」

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長野五輪後の使い道に最も困ったそり競技施設

   鷲澤氏は2013年11月29日付の「日経ビジネスオンライン」インタビューで、「スパイラル」について、長野五輪後の使い道に最も困った施設だと明かしている。建設や土地代にかかった費用は100億円だが、ボブスレーなどは日本で盛んとはいえず、競技者から利用料を徴収しても大した収入にはならないため、「将来的にも赤字が減るというメドはついていないです」と語った。取り壊そうにも施設には国の補助金が入っている。別のものをつくれば目的外使用になる恐れがあり、手がつけられないようなのだ。

   100億円の施設を維持し続けていかねばならないのなら、韓国側から求められた場合に活用してもらえばいい――。「負の遺産」に苦しんだ鷲澤氏だからこそ、こう考えたのかもしれない。

   平昌五輪が仮に分散開催となれば、長野県内のスポーツや経済、観光の起爆剤になると期待する「スパイラル」の地元住民の声を、信濃毎日新聞が2014年12月8日に報じていた。とは言え、今のところ「日韓共催」は難しいとの声は多い。韓国側では、遅れてはいるがそり競技施設の工事が進んでおり、建設中止となれば業者に対して賠償責任が発生することになると、韓国主要紙の中央日報日本語電子版が12月10日付記事で指摘している。費用面だけでなく、国民感情としても日韓双方で消極的な声が少なからず聞こえてくる。

   12日には、平昌五輪組織委員会の趙亮鎬委員長が、日本との分散開催を否定した。長野でのそり競技実施の可能性は、現時点では薄いと考えられる。それでも、そり競技施設建設は現在12.5%程度にとどまっているそうだ。「協力を惜しまない」と言い続けている長野市が、土壇場で韓国側に泣きつかれたら、どうするだろうか。

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