2024年 4月 25日 (木)

「オオカミ輸入してシカを駆除」論に注目 生態系を守る?子供が食い殺される?

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賛成も増えている・・・

   とはいえ、日本オオカミ協会の主張に賛同意見がないわけではない。海外では、オオカミが絶滅したことでアメリカアカシカが増えすぎて生態系のダメージが深刻化した米国のイエローストーン国立公園が1995年から、カナダからオオカミを再導入して生態系を再構築。また、ドイツでも自然保護団体がポーランド国境を越えてくるオオカミの保護活動を積極的に進めている。

   今回のシンポジウムでも、オオカミの世界的権威である米国のデイビド・ミッチ氏とドイツ最大の自然保護団体「ドイツ自然・生物多様性保護連合」のマーカス・バーテン氏の、生態系の回復のためにオオカミの再導入に成功した米国とドイツの研究者ふたりを招いた。

   こうした成功例を「お手本」に、日本でもオオカミを「復活」させて、かつてのバランスのとれた生態系を回復させようというわけだ。

   インターネットでは反対の声が目立ったが、日本オオカミ協会が発足以来3年ごとに実施している全国オオカミアンケート調査(第7回2012~2013年、回答者数1万5085人)によると、「オオカミの再導入」について賛否を聞いたところ、「わからない」が最多で45.7%、次いで「賛成」が40.4%で、3年前より13ポイントも増加した。「反対」は13.9%だった。

   賛成の理由のうち、最も多かったのは「生態系の保護のため」で68.5%、「害獣駆除」が40.0%を占めた。

   1993年(第1回)の調査では、「反対」45%に対して「賛成」は12%で、ほとんどの回答者がオオカミ再導入を支持していなかった。その後、年々「賛成」が増え、2009年(第6回)の調査では賛否の割合が逆転。「賛成」27%、「反対」18%となった。

   ちなみにアンケート調査では1万5085人の回答者のうち、日本オオカミ協会を知っていた人は16%だったという。

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