2024年 5月 4日 (土)

「ジビエ料理」に関心高まる 栄養価が高いが、安全性には注意が必要だ

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   シカやイノシシなど野生鳥獣の肉を使った「ジビエ料理」の人気が高まっている。立ち食いスタイルでステーキを提供する新業態の店が増えたり、「熟成肉」の引き合いが強まるなど「肉ブーム」が広がる中、脂肪が少なく、栄養価が高いことなどジビエの特徴が健康に関心の高い人などに受けているようだ。

   ただ、安全に食べるためには注意も必要で、厚生労働省も指針をまとめ、取り扱う際の衛生管理の徹底などを呼び掛けている。

  • ジビエ料理は安全に調理して食べれば健康面でメリットも大きい
    ジビエ料理は安全に調理して食べれば健康面でメリットも大きい
  • ジビエ料理は安全に調理して食べれば健康面でメリットも大きい

野性のシカが200万頭以上生息

   ジビエは、狩猟で得た野生鳥獣の肉を意味するフランス語。ジビエ料理は元々、欧州で貴族が楽しんできた高級な伝統料理だ。

   日本ではここ数年、そんなジビエ料理への関心が高まってきた。背景にあるのは、シカやイノシシなどが農作物を食い荒らす「食害」被害の全国的な拡大だ。北海道を除く全国で生息しているニホンジカなどは2011年度で261万頭と推定されており、食害の被害額は200億円を上回るとされる。そんな中、おいしく食べることで被害対策につなげようと、「国産ジビエ」の活用が注目されるようになった。

   野山を駆け回る野生鳥獣は元々、脂肪分が少なく、シカの場合ならカロリーは牛の4分の1、イノシシでも半分程度という。そのうえ、たんぱく質や鉄分は牛よりも豊富で、美容を気にする若い女性らの間でも関心が広がっている。

厚労省が安全指針

   こうした状況の中、ジビエ料理を出す飲食店はここ数年急増しているという。飲食店のインターネット検索サービスを提供する「ぐるなび」によると、ジビエ料理を提供する全国の飲食店はここ数年、年間2倍程度に増えているといい、同社は2014年末、その年の世相を象徴する「今年の一皿」にジビエ料理を選び、「2014年は、コンビニエンスストアやファストフードなどでもシカなどが食材として使用され、急速に一般消費者の間に浸透した『ジビエ元年』だ」と謳った。今年もさらにジビエ人気が高まると予想している。

   ただ、課題もある。狩猟でシカなどを捕獲する際、狙いどころを誤ったりすれば、調理に適さないこともある。病気のシカなどを捕獲して調理した場合は安全上も危険だ。

   このため、厚労省は2014年10月、ジビエ料理を安心して食べるための指針を初めてまとめた。「食べても安全だと判断できない肉は破棄する」ことを原則としたほか、銃で狩猟する場合は、胃や腸の内容物が拡散して、肉が汚れる危険があるため、頭や首を狙うことなどを求めている。ジビエ料理を提供する飲食店に対しても、肉を食肉処理業者から仕入れ、生肉は決して提供しないことなどを定めた。

   安全に調理して食べれば、食い荒らし被害も減るうえ、消費者にとっては健康面でメリットも大きいジビエ料理。賢く活用することが必要といえる。

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