2019年 12月 14日 (土)

環境省が石炭火力発電建設に「待った」連発 山口に続き愛知・・・、電力会社「困った」

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   望月義夫環境相が、環境影響評価(環境アセスメント法)に基づき、発電所を所管する宮沢洋一経済産業相に対して、大型石炭火力発電所の建設計画に「待った」を連発している。二酸化炭素(CO2)の排出量が膨らみ、政府の地球温暖化対策の目標達成が困難になる、と考えているためだ。

   しかし、CO2をほぼ出さない原子力発電所が日本でほとんど稼働していない中、電力会社の戸惑いは大きい。原発なしで電力会社はいったいどうすればいいのか、「国を挙げた本音ベースの議論が必要」との指摘も出ている。

  • 環境・経産両省のせめぎ合いが続きそう
    環境・経産両省のせめぎ合いが続きそう

削減目標達成が困難

   2015年6月以降、望月環境相が宮沢経産相に異を唱えた大型石炭火力発電所は2件。山口県宇部市で大阪ガス、Jパワー、宇部興産が出資する「山口宇部パワー」(山口県宇部市)が計画する「西沖の山発電所(仮称)」(総出力120万キロワット)と、中部電力が愛知県武豊町で石油火力から石炭火力への建て替えを計画する「武豊火力発電所」(同107万キロワット)だ。「西沖の山」は2025年までに60万キロワットの設備を2基稼働させる計画で、武豊火力は2018年度に着工し、2021年度の運転開始を目指す。

   望月環境相はそれだけではなく、東京ガス、出光興産、九州電力の3社が出資する「千葉袖ケ浦エナジー」が出光保有の遊休地に計画し、2020年代半ば運転開始を目指す「千葉袖ケ浦火力発電所」(同200万キロワット)も近く、同様の対応をするとみられている。

   望月環境相が宮沢経産相に「待った」を連発する背景には、こうした石炭火力発電所の建設が計画通りに進めば、日本の国際公約でもある2030年時点の温暖化ガスの削減目標達成が困難との認識がある。

   日本の温暖化ガス削減目標の前提となる2030年の電源構成(ベストミックス)では、石炭火力の割合を2013年の30%から26%に減少させることにしている。さらにこの電源構成を前提として、2030年までに温暖化ガス排出量を2013年比で26%削減するとしている。

   2030年という、それほど遠い将来ではない目標に二つの「26%」を掲げたわけだ。ざっくり言えば、各社の計画通りに大型の石炭火力発電所が次々に稼働したのでは、この二つの26%が達成できないのは確実なため「待った」をかけている、というのが環境省の立場だ。

   この「待った」、正式には環境アセスメント法に基づく「意見書」で、建設を止める強制力まではない。とはいえ、そうした意見書が出たからには、経産省・エネルギー企業としてCO2削減の具体的な対策などは求められる。

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