2024年 4月 19日 (金)

新品種のコメ、青森産「青天の霹靂」人気上々 売り切れ続出、東京には「届かないかも」・・・

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   新品種のコメ「青天の霹靂」の発売で、地元・青森県が沸いている。

   「青天の霹靂」は、2015年2月に日本穀物検定協会によるコメの食味ランキングの最上位「特A」を、青森県産で初めて取得。新潟県の「魚沼産コシヒカリ」や山形県の「つや姫」などと肩を並べ、「おいしい」とされる最高評価の銘柄に加えられた。

  • 青森県産のコメで初の「特A米 」!(画像は、「青天の霹靂」のホームページ)
    青森県産のコメで初の「特A米 」!(画像は、「青天の霹靂」のホームページ)
  • 青森県産のコメで初の「特A米 」!(画像は、「青天の霹靂」のホームページ)

全国に通じるブランド米、「青森の実力のすべてが詰まっている」

   「東北のコメ」というと宮城県や秋田県、山形県を思い起こす人は少なくない。これまで、青森県でコメが注目されることはほとんどなかったが、それはコメの主産県でありながら、全国に通じる「ブランド米」がなかったことがある。

   そんな青森県が、約10年を費やしてコメの研究や品種改良の積み重ね、新しいおいしさを求めて育成してきたのが、「青天の霹靂(青系187号)」だ。

   「ひとめぼれ」の系統で、ふっくらとしてつやがあり、粘りと硬さのバランスがよく、モチモチで噛むほどに甘みが広がる、上品な甘みが特徴。粒はやや大きめの、しっかりとしたコメとされる。

   青森県は「青天の霹靂」の特設ホームページで、「食材豊かな青森で誕生したお米らしく、海のもの、山のもの、里のもの、どんなおかずとも相性がよく、頼もしさがあります」とPR。そのうえで、「誰もが驚くような旨さを目指して、青森の実力のすべてがつまっています」と強調している。

   生産にあたっては、気候や土壌などの条件が良好な地域、栽培農家や水田を限定したほか、土づくりを行い、肥料や農薬を減らすなど、おいしくて安全・安心なコメづくりを徹底。さらに食味を検査し、独自の出荷基準を設けることでブランド米としての品質を確保。「青天の霹靂」の名称やブルーを基調とした独特のパッケージの採用など、販売方法も工夫した。

   早急にブランド化を進め、青森県では主力品種の「つがるロマン」や「まっしぐら」など、県産のコメ全体の評価向上につなげていきたいとしている。

店頭価格は5キロ2500円前後

   折しも、新米の季節。2015年10月10日に青森県内で一斉に発売された「青天の霹靂」も、この9月に収穫したばかり。そんなおいしさを求めて、消費者が多くのスーパーや米穀店などで列をつくった。スーパーも特設の売り場を設けて対応したが、瞬く間に売り切れた。

   さくら野百貨店・青森店では10日に即日完売。「在庫がありません。入荷も未定です」(12日時点)と話す。イオン青森店も12日時点では売り切れ。ただ、「あす入荷予定があるかもしれない」という。

   また、八戸市のコメ専門店「KOMEKUUTO」は発売日のようすを「即完売! 青天の霹靂!」と、フェイスブックに掲載。次回入荷も未定。予約本数も限りがあって受付終了となった、と明かしている。

   イオンつがる柏店によると、「予想を上回る売れ行きです。試しに1度は食べてみようというお客様が多いものと思います」とみている。もともと出荷量が限られているようで、「入荷予定はわかりません。おそらく、東京に出回る分もかなり限られているのではないでしょうか」と、東京で「青天の霹靂」を口にすることはむずかしそうだ。

   店頭価格は5キロ2500円前後と、新潟県の「魚沼産コシヒカリ」や山形県産「つや姫」などの「特A」のブランド米と同じ水準。青森県産の「「つがるロマン」よりも、やや割高となっている。

   一方、「特A米」も産地間の競争は激しくなっている。「青天の霹靂」のみならず、最近の5年間で「特A米」の銘柄は22から44銘柄(2014年産)に倍増。ライバルは数多い。

   産地間の競争に勝ち残れなければ、「特A米」だからといって、売れるとは限らないし、場合によっては価格が下落する可能性もある。

   さらには環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の大筋合意で、将来的には海外産のコメがこれまで以上に輸入されることになる。コメ産地にとっては、国内外のライバルとの競争がますます厳しくなる。

   ちなみに、1989(平成元)年以降、26年間にわたり「おいしい」と、「特A米」の評価を取得し続けているのは「魚沼産コシヒカリ」だけだ。

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