2024年 4月 29日 (月)

「太郎」さんは失言が多い?? それは「麻生」なのか「河野」なのか

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   入閣で持論を「封印」したとして波紋が広がった河野太郎行革担当相のパーティーで、閣僚が「失言」をネタに次々にあいさつし、参加者の笑いを誘う一幕があった。麻生太郎副総理兼財務相が「謎かけ」で河野氏について「失言が多い」とちゃかしたのに続いて、菅義偉官房長官は「福岡の太郎さん」の失言を「いつも気にしている」とあいさつ。再び会場は笑いに包まれた。

   安倍政権で「火消し役」を担う菅氏にとって、「福岡の太郎さん」の方が対応に苦労していることは間違いない。麻生氏は、第3次改造内閣発足直後にも政権として導入への取り組みを本格化させている軽減税率について「『めんどくせえ』って、みんな言ってるよ!」などとかみついたばかり。こういった状況に、思わず本音が出た格好だ。

  • 官房長官会見は閣僚の失言の「火消し」の場になる
    官房長官会見は閣僚の失言の「火消し」の場になる
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「河野太郎とかけて何と解く?北海道、釧路と解く」

   近くにいる人を楽しませることに長けた「半径2メートルの男」と知られる麻生氏の能力は、2015年10月15日に開かれた河野氏のパーティーでもいかんなく発揮された。あいさつに立った麻生氏は、絶妙な間で、

「河野太郎とかけて何と解く?北海道、釧路と解く。...(その)心は、シツゲンが多い」

と述べ、会場を沸かせた。直後にあいさつした菅氏は、

「失言が太郎というのが多い、という話をしたと言うんですけれども、私は、福岡の太郎さんの失言が、いつも気にしております」

と煽り、再び会場は大爆笑に包まれた。

   パーティーは総じて和やかな雰囲気だったようだが、菅氏が言うように「福岡の太郎」の失言の処理には難儀することもしばしばで、やんわりクギをさしたとの見方もできる。10月7日の第3次改造内閣発足後の菅氏の対応を見ても、「2人の太郎」の違いは明らかだ。

   河野氏は入閣が決まってから「リニューアル」を名目に、脱原発などの持論をつづった過去のブログ記事を見られないようにした。会見で「(安倍首相と)ベクトルは同じ」などと釈明したが、「持論を封印」「変節」などと批判する向きもあった。ただ、この河野氏に対する批判は正確には「失言」が原因ではない。菅氏の対応もかなりあっさりしており、5月13日発行の夕刊フジに掲載されたインタビューで、

「安倍首相は、河野氏を党行政改革本部長に起用して、その仕事ぶりを注視していた。首相は、党で汗をかいている人かどうかを、よく見ている。意見が異なるのは原発だけだ。首相は彼の突破力に期待している」

と答えている。

「『めんどくせえ』って、みんな言ってるよ!」

   これに対して、麻生氏の発言は「失言」だとして追及されかねないものだ。10月14日、安倍晋三首相は自民党の宮沢洋一税制調査会長に対して、17年4月の消費税率引き上げと同時に軽減税率を導入できるように具体的な制度設計を指示した。麻生氏は同じ日に札幌市内で行った講演で、

「これは言っときますけど、財務省は反対ですよ、ほんとは。『やれやれ』って言う人が多いんだもん、だから問題なんですよ。『めんどくせえ』って、みんな言ってるよ!」

などと発言。財務省が軽減税率の代案として主張していた「還付案」が退けられたことに対する「恨み節」ともとれる内容だ。

   当然、翌10月15日午前の官房長官会見では、

「総理から導入に向けて連携を進めるという明確な指示が出たばかり」

だとして閣内不一致を指摘する質問が出た。

   これに対して、菅氏は

「新聞報道があって、本人にも確認した。講演、これは非公開だったが、その中で麻生大臣が自らの発言として言及したものではなかったということだったし、現にそうだった」 「当然、麻生大臣を中心に、政府・財務省としても導入に向けた与党の検討に協力していくのは当然のことで、その姿勢に全く変わりはない」

などと説明。「めんどくせえ」というのは麻生氏の意見ではなく、麻生氏が周辺の声を紹介したに過ぎないという理屈だ。もっとも、安倍首相とはすりあわせをしていて、公明党をけん制したに過ぎないという説も有力だ。

   14年4月には、さらに厳しい「ごり押し」に近い釈明を迫られた。麻生氏は14年4月25日の閣議後会見で、当時難航していた環太平洋経済連携協定(TPP)の日米協議について、

「そんな(結論を)出せるほど、国内でオバマが全部まとめきれるほど、今、力はないだろう?だって中間選挙するんだもん。中間選挙の前に結論を出せるとは思いませんけどね~。その間いろんな話を継続してやっていく、ということにならざるを得ないと思っていましたから...」

と述べた。早期の合意を目指すというのが当時の日本政府の立場だった。だが、麻生氏の発言は、14年11月の中間選挙前はオバマ大統領の権力基盤が不安定になることを背景に、交渉の長期化を見越しているともとれる内容だった。

「私の会見が、日本政府を代表しているすべて」と「強行突破」

   この点について、菅氏は同日夕方の会見で「(麻生氏の会見の)議事録を取り寄せた」として、

「日米ともに、国内にきわめて難しい政治状況。オバマ大統領といえども、そうした難しい...(状況がある)。選挙も控えている。そういう意味で説明したのだろうと思う。『いかに難しいか』ということを麻生さん流に説明したのだと思う」

   とはぐらかそうとしたが、記者は、

 
「ナンバー2の発言で『日本政府の本音が出た』という誤解を与えかねない」

と追い打ちをかけた。菅氏は答弁に困ったのか、

「私の会見が、日本政府を代表しているすべて」

と断言。麻生氏の発言は日本政府を代表するものではないため、国外に誤解を与えることはないという理屈で「強行突破」した。

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