2018年 8月 19日 (日)

WHO報告「加工肉は発がん性高い」に世界中で怒りと嘆き 「ベーコン握りしめて死ぬしかないのか」

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   「ウインナーソーセージ3本分、あるいは厚切りハム2~3枚分の加工肉を毎日食べるだけで大腸がんのリスクが18%上がる」

   J-CASTヘルスケアでも報じた、世界保健機関(WHO)の専門組織「国際がん研究機関」(IARC)が2015年10月26日に発表した報告書は、世界中に衝撃を与えて猛反発が広がっている。

  • ソーセージには発がん物質が含まれているというが…
    ソーセージには発がん物質が含まれているというが…

最悪の発がんレベルの根拠に説明なし

   翌10月27日には、さっそく食肉輸出国の首脳たちのブーイングが相次いだ。バーナビー・ジョイス豪農相は公共ラジオでこう語った。

「タバコとソーセージが同じだなんて、お笑い草だ。現代ではすべての発がん性物質をさけて生活することは不可能だ。WHOが指定するもの全部を取り除いたら、洞窟生活に戻るしかない。がんと関係あるものを避けたければシドニーの街路に出るなということだ。人生でできることは何もなくなるだろう」

   ドイツのクリスチャン・シュミット農相もこんなコメントを発表した。

「たまにソーセージにかじりつくことを怖がる必要はない。何でもそうだが、重要なのは摂取量だ。何かを食べ過ぎたら、いつだって健康に悪い」

   IARCの報告書のあいまいな姿勢も問題になっている。5段階ある発がん性危険レベルで、加工肉をタバコやアルコール、アスベストなどと同じの最悪の「グループ1」に指定したが、「約800の論文を分析した結果、十分な証拠が得られた」とするだけで、加工肉ががんを発症させるメカニズムや、どの程度の摂取量なら安全かなどは説明していない。

   しかも、「加工肉の過剰摂取が原因のがん死亡者は世界中で年3万4000人。喫煙が原因の100万人、アルコールの60万人、大気汚染の20万人に比べるとかなり少ない」というデータまで示した。

   このため、各国の食肉業界は「無責任だ」と怒り心頭だ。北米食肉協会では「最初から特定の結論を導き出すためにデータを歪曲した」という声明を、業界寄りの膨大な論文とともに発表、バリー・カーペンター会長は「IARCががんの原因にならないと明言しているのは、ヨガの際にはくパンツに含まれる化学物質だけだ」と語り、何でも発がん性に結びつけていると批判した。

   中国肉類協会副会長の陳偉氏は「この報告は非科学的である。我が国の四川省と湖南省では、肉の塩漬けや薫製がよく作られているが、大腸がんが頻発する地域ではない」と反論した。

日本の食品安全委員会「『加工肉リスク高い』は適切でない」

   肉の最大の消費地、米国では肉好きの戸惑いの声がネット上であふれた。「タバコも酒もやめたのに、ベーコンを握りしめて死ぬしかないのか」「われわれは科学を放棄しなくてはならない現実に直面している」。一方、動物愛護団体は活気づき、街頭で菜食ダイエットのパンフレットを配り始めた。

   日本では、内閣府の食品安全委員会が10月28日、フェイスブック上で、IARCの報告内容の説明をしたうえで、「『食肉や加工肉はリスクが高い』ととらえるのは適切ではないと考えます。食品の健康への影響は、リスク評価機関におけるリスク評価を待たなければいけません」と否定的な見解を発表した。

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