2024年 5月 4日 (土)

「大阪維新」、地元で根強い支持 ダブル選情勢調査で「優勢」

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   2015年11月22日に投開票される大阪府知事と大阪市長のダブル選をめぐり、各紙が「維新優勢」を伝えている。

   15年12月には政界引退を表明している大阪市の橋下徹市長率いる「大阪維新の会」が掲げる「大阪都構想」の是非も重要な争点のひとつだ。

   「都構想」は15年5月に住民投票で否決され、廃案になったはずだが、世論調査を見る限り有権者は「再チャレンジ」に比較的寛容だ。早くも大阪維新側は「選挙の事前調査程あてにならないものはない」と引き締めにかかっている。

  • 大阪ダブル選は11月22日に投開票される(写真:坂本照/アフロ)
    大阪ダブル選は11月22日に投開票される(写真:坂本照/アフロ)
  • 大阪ダブル選は11月22日に投開票される(写真:坂本照/アフロ)

否決直後は後の政治家に「都構想の設計図」託すつもりだったが...

   都構想をめぐっては、15年5月に行われた住民投票では僅差で否決され、橋下氏は直後の記者会見では、

「(後の政治家が)都構想の設計図を頼りにしてくれたらうれしい」

などと述べ、自らの手による実現は断念したかのように見えた。ところが8月末に大阪府枚方市で行った街頭演説では、都構想を「バージョンアップさせたい」と発言。ダブル選では「再挑戦」を争点として掲げるまでになった。

   だが、この豹変ぶりに意外なほど有権者は寛容だ。朝日新聞社が11月14日と15日にかけて行った世論調査では、大阪維新の会が「都構想」を再び掲げることについて、大阪府民は33%が「納得できない」、44%が「納得できる」と回答。「納得できる」の方が上回った。当事者とも言える大阪市民に対する調査では「納得できない」43%、「納得できる」41%と拮抗した。読売新聞も府民に対して同様の質問をしており、「賛成」51%、「反対」34%と朝日と同様の結果が出ている。

   ダブル選では、維新、自民ともに「総力戦」の様相だ。維新陣営は橋下氏が府内でフル回転する一方で、自民党は稲田朋美政調会長、谷垣禎一幹事長、石破地方創生相、馳浩文科相ら「大物」を続々と応援演説に投入している。

 

   市長選では、橋下氏から後継指名を受けた大阪維新の会公認の新人で前衆院議員の吉村洋文氏(40)が、自民党推薦の無所属新人で前市議の柳本顕氏(41)と争う。府知事選では、大阪維新の会公認の現職、松井一郎氏(51)が、自民推薦の無所属新人で元府議の栗原貴子氏(53)との一騎打ちになる見通しだ。

松井氏は自民支持者にも食い込む

   現時点では自民が劣勢だというのが報道各社の共通した見方だ。11月16日の朝刊各紙では、世論調査の結果に情勢取材を加味した分析結果を報じている。いずれも市長選、府知事選ともに維新候補が優勢だとみている。

   朝日新聞の見出しは「大阪知事選 松井氏優勢」で「大阪維新 市長選やや優勢」。読売新聞は市長選で吉村氏が「ややリード」し、府知事選で松井氏が「優位」に立っていると報じている。毎日新聞も吉村氏「リード」で松井氏「優位」だ。産経も「維新候補が優勢」という見出しで調査結果を報じた。

   いずれの分析記事でも、吉村、松井両氏が手堅く維新支持者の取り込みに成功しているのに対して柳本、栗原両氏が自民党・公明の支持者を固めきれていないことを指摘している。特に栗原氏については、自民支持者に対して「松井氏の食い込みを許している」(朝日)と厳しい状況だ。

   毎日新聞の分析によると、「都構想」に賛成する人の大半が吉村氏を投票先に選んでいる。都構想には今でも一定の支持がある以上、維新も一定の支持を得る、という構図のようだ。

候補者は逆に「事前調査程あてにならないものはない」と警戒

   こういった状況に、維新の候補者は逆に警戒感を強めているようだ。11月15日深夜に2候補者は相次いでツイッターを更新し、都構想が否決された住民投票の二の舞になる危険性に言及している。

「選挙の事前調査程あてにならないものはない。僕は都構想の住民投票の時、広報や戦略をまとめる立場でずっと実務をしてきた。実はその時、住民投票前の事前調査では常に賛成多数で勝っていた。しかし、5月17日に箱を開けたら反対多数。とにかく最後の最後まで全力で自分の想いを訴え続けます」(吉村氏)
「候補者として、現場での感覚はメディアの世論調査とは全く違う、吉村候補とも話しているが、五月の住民投票の時とよく似ている、あの時維新のメンバーにも勝ったと思い込んでいた人がいたが結果は負けでした。事前調査なんて所詮そんなもの、選挙はそんな甘いものではありません」(松井氏)
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