「鞆の浦」の埋め立て・架橋建設計画を広島県が正式に断念

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   宮崎駿監督のアニメ映画「崖の上のポニョ」の舞台としても知られる瀬戸内海の景勝地「鞆(とも)の浦」(広島県福山市)の埋め立て・架橋建設計画を、広島県が2016年2月15日に正式に断念した。

   この計画は交通渋滞解消などを目的に1983年に計画が策定され、55億円をかけて鞆港沿岸約2ヘクタールを埋め立て、海上に約180メートルのバイパス橋を架けるというものだった。しかし住民は万葉集にも詠まれた景観や古い町並みを失うことに反対し、景観保護を理由に07年4月に県に対して中止を求める提訴を起こした。広島地裁は09年10月に住民の訴えを認めたが、県は控訴した。12年に湯崎英彦知事は事業の中止を表明している。そして訴訟の進行協議が16年2月15日に広島高裁で開かれ、県は計画の断念を正式に表明した。

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