米国のカジュアル衣料大手GAPが展開している「OLDNAVY」が、日本から撤退する。業績低迷に伴う世界的なリストラ計画の一環で、今後は「OLDNAVYの成長を見通して、最も有利な市場にフォーカス。北米と中国市場に経営資源を傾け、成長を目指す」と説明している。「なくなっちゃうの!?安くてアメリカらしいデザインが好きだったよ」米GAPは2016年4月30日現在、「OLDNAVY」を北米で1029か店、アジアで69か店を展開。また、「BananaRepublic」を北米で607か店、アジアと欧州で61か店を展開している。5月19日の米GAPの発表では、海外市場で展開しているOLDNAVYやBananaRepublicの75か店を閉鎖するという。このうち、日本市場では53か店を展開するOLDNAVYを、2017年1月末までにすべて閉鎖する。また、BananaRepublicは全世界で不採算店舗の整理を進めるが、日本では「GAP」と合わせて200か店余りある店舗を残し、経営資源を2ブランドに傾注する。米GAPは、今回の店舗閉鎖などで「年間で2億7500万ドル(約300億円)の経費を節減し、営業利益率を2ポイント改善させる」としている。発表資料によると、アート・ペック最高経営責任者(CEO)は「アパレル業界の変化のペースが速くなっており、当社の変革も加速させる時期だ」と語っている。2016年2~4月期決算によると、売上高は前年同期比6%減の34億3800万ドル(約3780億円)だった。OLDNAVYの日本での売上高は明らかにしていないが、16年2~4月期のアジアでの売上高は前年同期比16%増の5000万ドル(約55億円)だった。日本で展開する「OLDNAVY」の全店閉鎖に、インターネットでは、「パーカーとか生地厚めでよかったのになぁ。いかにもアメカジっぽくて好きだったわ」「えーっ! 安くて結構好きだったのにな。日本人には合わなかったのかな」「安いと割り切って買ってたからちょっと残念。子供服とか重宝してたのに!!!」「なくなっちゃうの!?安くてアメリカらしいデザインが好きだったよ」などと、残念がる声が寄せられる。その半面、「安っぽいし、どう見てもダサイだろ」「ダサくて・・・むしろだれが買ってたんだと」「っていうか、聞いたことないんだけど。みんな知ってたん...」と、デザインの好みがあわなかったとの声や、そもそも知名度がいま一つだったとの指摘も少なからず寄せられている。ユニクロも苦戦する低価格カジュアル衣料市場日本に「OLDNAVY」が初めて上陸したのは2012年。東京・お台場を皮切りに、東京・吉祥寺や長野県・軽井沢町、大阪府守口市など、ショッピングセンターや駅ビルなどを中心に積極的に出店。2014年には初めて北海道や四国に進出するなど、拡大路線を敷いてきた。その一方で、国内のカジュアル衣料市場は競争が激化していて、なかでもOLDNAVYが得意とする低価格帯は、激戦の様相を呈している。「ユニクロ」や「GU」(いずれも、ファーストリテイリングが運営)、「しまむら」やスウェーデンの「ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)」などが競っているほか、イトーヨーカ堂など流通大手のプライベートブランドも参入している。長期的にみても、国内市場は少子高齢化や人口減少の影響で、さらに縮小していくとみられている。これまで「好調」といわれてきたファーストリテイリングですら、4月7日には2016年8月期の連結業績予想の下方修正を発表したほどだ。市場調査の矢野経済研究所によると、カジュアル衣料を含めた国内アパレル小売市場の規模は、2014年に9兆3784億円(前年比0.9%増)だった。OLDNAVYが苦戦して、撤退を余儀なくされるのも無理からぬところかもしれない。
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