2024年 4月 19日 (金)

マージャン勝てば「内定にリーチ」 珍就活「最終面接でロン」で企業がチェックしている点

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   麻雀に勝って、内定に「リーチ」――。情報機器販売のスターティアが2017年4月入社の新卒採用から始めた「麻雀選考」が、いま大きな注目を集めている。

   説明会や懇親会と同時に、就活生と社員が卓を囲む麻雀大会を開催。1位を獲得した学生には、いきなり最終面接に進めるという特典が付く。もちろん通常の採用選考も実施するが、採用目標40人のうち「麻雀枠」で2~3人の採用を予定している。

  • 社員や学生が卓を囲む麻雀選考の様子(スターティア提供)
    社員や学生が卓を囲む麻雀選考の様子(スターティア提供)
  • 社員や学生が卓を囲む麻雀選考の様子(スターティア提供)

すでに「麻雀枠」から内定者も

「私たちが営業職に求める能力は、『決断力』と『勝負所を掴む嗅覚』の2つ。こうした資質を確かめるのに、『麻雀』はぴったりだと考えています」

   麻雀を選考に用いた理由について、スターティアの広報担当者は、6月2日のJ-CASTニュースの取材にこう力強く語る。

   電話やコピー機などの回線の卸売など、主にBtoB(企業間取引)事業を行う同社。これまで学生からの認知度は「決して高いとはいえなかった」というが、新たに始めた「麻雀選考」をきっかけに、その知名度は急激に上昇したという。

   16年4月22日に開催した第1回の「麻雀採用イベント」には、会場となった都内の雀荘に全29人の学生が集まった。男女の内訳は、男性27人に対し女性が2人。なかには、東京大学の学生もいたという。

   麻雀大会は、社員5人とゲストとして招いたプロ雀士5人を加え、全39人で始まった。その結果次第で採用選考が有利になることもあり、会場の雰囲気は「真剣そのものでした」(広報担当者)。

   同社の選考フローは通常、「エントリー→説明会→1次面接→2次面接→3次面接→最終面接」と、内定までに6つの選考を通過する必要がある。だが、今回の麻雀選考で1位になった学生は、いきなり最終面接からスタートできる。2~10位の学生も、2次面接までが免除となった。すでに、22日の麻雀選考を「通過」した学生のうち、複数名に内定を出したという。

「プロ雀士との対局を目的に集まった学生も多かったようですが、最終的には27人から『選考に参加したい』という言葉を頂きました。社員と卓を囲んだことや、麻雀大会の後に実施した説明会や懇親会を通じて、弊社の魅力や雰囲気が学生に伝わった結果だと捉えています」

情報通信会社と「麻雀」の意外な接点

   ただ、情報機器の販売を行う同社と「麻雀」の接点が見えないのも確か。その点について、広報担当者に尋ねると、「いえいえ、弊社と麻雀は関係が深いんですよ・・・」と切り出した。実は、一部の愛好家の間では、同社は「麻雀が強い会社」として知られているというのだ。

   電通や講談社、LINEなど名だたる企業が顔を並べる「麻雀企業対抗戦」にも参加しており、過去に麻雀最高位の称号を獲得した藤田晋社長率いるサイバーエージェントに勝利した経験もあるという。

   そうした接点を背景にスタートした「麻雀選考」は、ネット上でも大きな反響を呼んでいる。ツイッターやネット掲示板などには、

「自分の人生を賭けたギャンブルで、どれほど冷静に考えられるかを見測るってのはいい発想」
「麻雀って個性や性格が物凄くわかるから良い方法」

など好意的な反応が目立った。一方で、「こういう会社は信用できない」との声も一部で見られた。

   同社は前回のイベントの好評を受け、6月17日には第2回の麻雀選考を開催予定。プロ雀士は参戦しないが、すでに定員を上回る応募が集まっている。広報担当者は、北海道や滋賀からの応募もあるとして、

「麻雀採用を通じて、これまでより応募いただく学生の幅が広がっていることを実感しています」

と確かな手応えを語った。

   ほかにも、就活生の注目を集めるため、ユニークな手法を取り入れた選考を実施する企業は増えている。ネットメディアを運営するVOYAGE GROUP(ボヤージュグループ)は、体感型アトラクションのような「宝探し選考」を導入。カラオケ機器を販売するエクシングは、自社製品を用いた「カラオケ選考」を16年春入社の新卒採用で実施した。

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