2019年 12月 15日 (日)

財政投融資が先祖返り? 「無駄な事業への投資」増への懸念

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   安倍晋三政権が財政投融資(財投)の積極活用に動いている。民間企業だけでは資金を賄い切れない事業などに政府が投融資するもので、財政事情が厳しい中でも機動的に規模を積み増せることから、今(2016年)秋に予定する景気対策の柱にする考えだ。背景には日銀のマイナス金利政策に伴い、財投の資金を調達する際の金利が極めて少なくて済むことがある。ただ、低金利がいつまでも続く保証はなく、将来的に金利上昇で財政が「逆ザヤ」に苦しむことを懸念する声もある。

   財投は、政府が財投債(国債の一種)を発行して市場から借りた資金を原資に、政府系金融機関などを通じて投資や融資をおこなうもの。事業が長期間にわたるもの、リスクが高くて民間が手を出しにくい事業に資金を供給するのが目的だ。

  • リニア中央新幹線は成長戦略の目玉だ(写真はイメージ)
    リニア中央新幹線は成長戦略の目玉だ(写真はイメージ)

「目玉」はリニア中央新幹線や整備新幹線

   安倍首相は消費税増税の再延期を表明した6月1日の記者会見で、「新たな低利貸付制度によって21世紀型のインフラ整備をする」と述べ、財投を景気対策に最大限活用する考えを表明した。これに呼応し、自民党は参院選公約で、財投を活用し、向う5年間で民間資金と合わせて30兆円の事業規模を確保することを打ち出している。

   財投活用の目玉とされるのが、リニア中央新幹線や整備新幹線だ。リニアはJR東海の「民間事業」で、2027年に東京-名古屋を先行開業し、大阪への延伸は2045年を目指す方針だった。政府は、これに財投による低利融資を使った支援スキームを作り、大阪までの延伸を最大8年程度、前倒しする方針を示し、JR東海と協議に入っている。リニアを成長戦略の目玉として参院選に向けてアピールする作戦だといわれる。

   整備新幹線についても、石井啓一国土交通相は6月2日の記者会見で、「長期固定、低金利の融資を活用することで(整備新幹線の)建設をより着実に推進したい」と表明。整備新幹線は、鉄道・運輸機構が建設主体として施設を保有し、JR各社に貸し出す仕組みで、北海道新幹線の札幌-新函館北斗、北陸新幹線の金沢-敦賀、九州新幹線の長崎-武雄温泉が着工中だが、財投から機構にお金を回して金利負担を軽くし、着実に整備を進めようというが狙いだ。

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