モーツァルトを聴くと血圧が下がる リラクゼーション効果まで期待が
2016.07.04 11:30
クラシック嫌いでもクラシックを聴くと癒しの効果が
以上のことから、モーツァルトとシュトラウスの曲には血圧と心拍数を下げるとともに、ストレスを解消する効果が認められたが、ABBAの曲はストレス解消効果だけは認められた。そして、血圧を下げる効果が最も強かったのはモーツァルトの曲だったわけだ。ちなみに実験に使われたモーツァルトの曲は「交響曲第40番 ト短調 KV550」である。
研究チームは、事前に120人全員に好きな音楽の種類を尋ねていたが、音楽が血圧や心拍数に与える効果と、個々の被験者の音楽の趣味との間で関連はみられなかった。だから、ポップ・ミュージックは好きだがクラシックは嫌いだという人でも、クラシックを聴くと自然に血圧が下がってしまうことになる。
研究チームのハンス・ヨアヒム・トラッペ博士らは、モーツァルトに限らず、血圧を下げてくれる曲には次のような特徴があると指摘している。
(1)同じメロディーが繰り返されて、曲の周期性が高い。
(2)メロディーラインが印象的で、1度聴いただけで覚えられるほど。
(3)音量やリズムがあまり変化しなくて、調子(キー)が心地よい。
(4)和音の進行(harmony sequences)が気持ちを高ぶらせないもの。
(5)歌詞が存在しない楽器だけで演奏する。
(6)作曲がテクニカル(技巧的)である。