「供託金を払っているのに、登壇できないのはおかしい」――都知事選(2016年7月14日告示、31日投開票)初めての公開討論会を客席で聞いていた政治団体「スマイル党」総裁のマック赤坂氏(67)は、突然こう声を荒げ、会場から「つまみ出された」。立候補予定者15人中、マック氏を含む8人は討論会に登壇しなかった。「時間的な制約」を理由に主催側が示した登壇条件は、議員や首長経験など4つ。マック氏はそのすべてに当てはまらなかった。しかし、ネット上では「(マック氏の言い分は)全うな提案」「候補を全員呼べ」と逆に主催側への不満が高まっている。赤坂氏「同じように供託金を払っている」公開討論会は2016年7月12日、東京青年会議所(JC)が主催し、赤坂区民ホール(東京都港区)で開いた。登壇者は小池百合子・元防衛相(63)、増田寛也・元総務相(64)、宇都宮健児・元日弁連会長(69)のほか、中川暢三・前兵庫県加西市長(60)、山口敏夫・元労相(75)の計5人で、立候補予定者の3分の1だった。この日に出馬を表明した鳥越俊太郎氏(76)は参加しなかった。トラブルは突然起こった。登壇者の自己紹介が始まる前、客席にいたマック氏が「同じように供託金を払っているにも関わらず、登壇できないのはおかしい。民主主義ではない」などと大声で暴れ、会場の関係者に強制退場させられたのだ。「マック退場」のシーンは、ニコニコ生放送の生中継を見ていた視聴者やツイッターユーザーも素早く反応。場を乱したマック氏への批判も出た一方、「マックが正しい」「(マック氏の言い分は)全うな提案」「候補を全員呼べ」「かわいそう」など同情の声も相次いだ。上杉隆「青年会議所、変わったなぁ」また、『記者クラブ崩壊』などの著書がある上杉隆氏(48)も同日のブログで、「立候補予定者にも関わらず参加できず」「(自分は)かつてはJCの都知事選討論会の司会までやっていたのに。日本青年会議所、変わったなぁ」と「恨み節」を述べている。東京青年会議所は討論会の中で、参加を呼び掛ける候補者について、時間の制約で「政党要件を満たす政治団体から支持・推薦等」「国会議員経験者」「都道府県知事または市区町村長経験者」「直近の都知事選で次点」の4つを登壇条件に定めたと説明している。ちなみに同じ日、フリーランスライターの畠山理仁(みちよし)さんがニコニコ生放送の企画で開いた公開討論会「東京都知事選挙2016公開討論会2.0」には、高橋尚吾氏、立花孝志氏、山口節生氏など、青年会議所主催の討論会に登壇しなかった立候補予定者5名が出演した。13日午後には、日本記者クラブが小池氏、増田氏、宇都宮氏、鳥越氏の4人の候補者だけを呼んで共同記者会見を設定した。
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